ハイキュー!

□第十三話
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施錠も終え、お風呂も終わった

シーンっと静まり返る校舎内

時刻は11時を回っているため

皆寝てしまったのだろう。

マネージャーは固まって一教室あてがわれていたけど、

なんだか今から行くと行きづらいし、起こしてしまいそうだったので

自動販売機のおいてあるロビー的な処に身を寄せていた

そっと缶ジュースに口をつける

「今日はいろいろあったなぁ〜」

食事の準備に追われ、片づけに追われ

クロが迎えに来てくれたり、心配してくれたり

兎木に可愛い、なんて言われたり

赤葦にご飯美味しいって褒められたり

「幸せだぁ〜・・・」


もう、これ以上は望むまい。

あちらの世界で死んでしまった以上、もうこちらで生きていくのは決定事項だ。

けど、それでもあと一歩踏み出せない。

皆の事は好きだし、ドキドキするけど、

多分それは恋愛のスキじゃない、んだとおもう。

ミーハー的ドキドキであって、LOVEじゃない。

それにこの世界には彼女がいるから、万が一私に恋愛的ストーリーは望めないだろう

「ま、臨んだところで、だけど」

自分で言ってって悲しくなってきた・・・

「あぁー、バカ。
 泣いたらまた夜久くんにどやされるじゃん・・・」

くそっ、止まれよ。

「誰にどやされるって?」

「っ・・・げ・・・」

「げってなんだ、げって!!
 っ・・・、お前・・」

私の顔を見て一瞬たじろぐ

すみませんね、不細工な泣きっ面で!!

「なっ泣いてないから!!
 蚊が目に入っただけだから!!」

「なんだよそれ、いてぇよっ!!」

なんとか取り繕って泣き止もうとするけどできない。

止めようとすると、溢れてくる


「またうじうじしてたら、お仕置きだって言ったろ?」

バッと目元を隠していた両手を捕まえられ、顔を隠すことが出来ない

「うじうじ、してないし・・」

「してるだろ?」

「して・・・ないし。」

あぁもう、止まってよ涙さん・・・

「・・・」

急にだんまりになったかと思ったら、なぜか目の前に夜久の顔

「っ・・・!?」

つかゼロ距離!?!?

「んっ//!?!?」

なっなにこれ!?

なんで、キス!?!?

爆発寸前で夜久の唇がそっと離れた

「・・・泣き止んだか?」

「・・・はい・・・」

あまりのびっくりに涙も引っ込んだ

私の頭もショート寸前

「お仕置きだって、いったろ?」

そう小さく笑う夜久は完全にいたずらっ子のそれだった

「・・・・はぁぁ!?!?」

お仕置きとはいったい!!?

「なっ、何考えてんのさっ!?
 バカか!?バカなのね!!」

もう考えもまとまらず全力で物申す

「涙止めてやったんだから、感謝しろよ〜ww」

当の本人は素知らぬ顔で去っていった

「なっ・・なんなの・・・いったい・・・」

まだ薄く残る唇の感触

自身の唇にそっと指を触れてみる

「って、私は変態か!!!」

長椅子にうずくまりのたうち回る

なんで夜久があんなことしたのかわからない

もう、わかんねぇぇよぉぉ!!!
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