テニスの王子様
□第十四章
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第十四章
「タオル持って来たぞー!」
ふぅ、柳はもうこれ以上詮索しないだろう・・・・・・・と思いたい・・。
でも、あれは根っからのデータマンだからなぁ、
はぁ、ダメだ。プラスに考えられないorz
「あぁ、ご苦労様。」
「ここに置いとくね。そうそう、ゆ・・・・精市にも一応言っておくけど、」
「なんだい?」
「私が最初らへんで言ったことば覚えてる?」
「・・・。“need not to know”・・・でしょ?」
おっ、意外にも覚えてた!
「そっ、ちゃんと忘れないでね。そしてその思いも忘れないでね。」
そう、私に関わってくるな。
面倒事はごめんだ。
「ごめん、却下☆」
「は・・・・・?」
いやっ、本当にはっ?だよ!!!
なんだよ最後の星!!
腹立つ!!!
「はぁ!?意味わかんない!!察してよ!!」
「アリカ。アリカがどれだけ俺たちを避けようと、どれだけ一線を引こうとしても無駄だよ。
君はもう俺たちと関わって、会話をしている。俺たちの大切なマネージャーだ。
どんなことがあろうと、俺たちは君を裏切ったりはしないよ?」
「っ・・・!!」
不覚にも、涙腺が緩んでしまった・・・。
裏切ったりしない。
一番聞きたかった言葉・・・。
一番言ってほしい人から聞いた、一番言ってほしかった言葉・・。
だめだ・・・。
もう、我慢できない・・・。
「っ・・・ぅッ…ヒック・・・ッ」
私は、精一のジャージを精一杯の力で握り締め声を押し殺して泣いた。
この世界に来て初めて流した涙。
「アリカ・・・・。」
やさしく頭を撫でてくれる精一。
あぁ・・・。彼はこんなにも優しかったんだ。
「大丈夫。君は俺が守るから・・・。俺だけじゃない。俺たち皆でアリカを守るよ・・・。」
囁かれたその言葉。
嬉しくて、嬉しくて涙が止まらなかった。
でも、どこかで疑ってしまう自分が憎くて仕方なかった。
どんなに甘い言葉で囁かれようと、昔受けた傷が深すぎた・・・。
「怖い・・・怖いよ精市・・・!!一人はいやっ・・・!裏切られたく・・・ない・・・ッ。お願い・・裏切らない・・で!!」
今、私が言えるのはこれだけっ・・。
私は思った。
この皆なら・・。精市になら私の過去を話してもいいかもしれないと・・・。