Fantasy Novel

□東方次境憚第2話
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その頃博霊神社では。

霊夢が竹箒で掃き掃除をしていると、空から鴉天狗が舞い降りてきた。
『ん?』
『どうも、霊夢さん。』
『何の用よ“文”?
まぁどうせ最近良いネタがないから何かない?とかそんな感じなんでしょうが。』
霊夢の予想はズバリ正解だった。
『あやや〜、バレてますか。』
『いや〜、最近“地底”での事件以来これと言って異変も事件もなくて困ってまして。』
霊夢がやれやれと言った感じで
『で?私に聞きに来たと?』
と言った。
『その通りです、で、何かありますかね?』
文は手帖とペンを構えて聞いた。
霊夢は少し手を顎にあて考えた。
『ん〜、そうね〜。』
霊夢考えた後、先程の話をすることにした。
『一つあるわ、ついさっきの話だけど・・・・。』
霊夢は先程の光夜と鈴仙が来た時の話をした。


ーーーーー少女説明中


『と、言うことなんだけど。』
霊夢が説明を終えると、
『ふむふむ、つまりは・・・』
文が纏めた情報を言った
『なんらかの事象でこちらに、まぁつまりは幻想郷ですね、で幻想郷に来た少年、名を“桜楼 光夜”と言う、その少年は幻想郷に来た時のなんらかの影響で記憶を失っていて、とにかくもと居た場所へ帰るべく情報を得る為に“ココ”博霊神社に訪れた。
と、言う事ですね?』
文が長々しい言葉を言っている間霊夢はだるい感じに竹箒で地面を掃きながら聞いていた。
『ええ、私が聞いた話だとそんな感じね。』
文が手帖を見ながら
『ふむふむ、これなら良い記事が書けそうですね。』と言った。
『これは密着取材を申し込むしかありませんね、霊夢さん彼らがどこに行ったかわかります?』
『人間の里に行くって言ってたわよ。』
『人間の里ですか、よし、でわ私は先回りして取材準備を!』
そう言うと文は
『スペルカード発動!』
それを聞いた瞬間霊夢が
『ちょっ!あんたそんなの使ったら集めたゴミが!』と言ったが文は気にせず。『【幻想風靡】!!』
その瞬間文を風が包み突風の様に空に消えていった。散らかったゴミを残して、『あ〜、もぅまた掃除し直しじゃない!』
そう言うと霊夢はいやいや掃除をやり直した。


ーーーーー少年少女移動中
ーーーー【人間の里】到着

『ここが人間の里・・。』光夜は人間の里に着いた時、なんだか懐かしいような不思議な感覚をおぼえていた。
『はい、そうです。』
鈴仙はそう言うと続けて
『ではまず寺子屋へ行きましょう、そこに前に師匠が言っていた物知りの方が居ますので。』
『えっ、あ、はい。』
光夜がちょっと驚いた感じに答えたのを見て鈴仙は
『どうかしましたか?』
そう心配そうに聞いた。
『い、いえ、何でもないですよ。』
『えっと、寺子屋でしたよね。』
鈴仙はどうしたのだろうと思いつつもまずは寺子屋へ向かう事にした。

数分歩くと寺子屋に到着した。
『ここが?』
光夜がそう言うと
『はい、ここが寺子屋です、じゃあ行きましょう。』そう言い二人が中に入ると、
『ん?きみは確か“永遠亭”の・・・、』
青い髪の女性がいた。
『お久しぶりです、“慧音”さん。』
『何か私に用事か?』
『ええ、聞きたい事があって。』
鈴仙は事情を説明した

ーーーーー少女説明中

『ふむ、そうか、では君が?』
慧音は光夜見てそう言った。
『はい、始めまして“桜楼光夜”と言います。』
光夜が名を名乗ると。
『私は“上白沢慧音(かみしらさわけいね)”だ。』慧音も名乗り返した。
『それで、私に何を聞きたいんだ?』
光夜はまず一つ聞いた
『えっと、まずは今までで外の世界から妖怪が来た事がありますか?』
『外か・・・無いはずだが。』
『そうですか、では二つ目八雲紫と言う人の居場所を知りませんか?』
『大妖怪のか?そうだな余り会ったりしないから分からない。すまないな余り力になれなくて。』
慧音が申し訳なさそうに言うと、
『い、いえ、こちらこそ急に尋ねて話を聞いて貰えただけでも。』
『だが・・・・、ん?そうだ!』
慧音が急に思い付いた様に声を上げた。
『え、ど、どうかしました?』
光夜が聞くと、
『妖怪の事なら私より“阿求”に聞く方が良いだろう。』
『は、はぁ。』
光夜はそれを誰か知っている訳もない。
『よし、阿求の所まで案内してやろう。』
『良いんですか?』
『ああ、私は余り役に立たんみたいだからな。』
『そうですか、でわお言葉に甘えて。』
『ん、そうだ鈴仙。』
慧音がふと鈴仙に話しかけた。
『はい、なんですか?』

『薬をいくつか注文したいんだが、薬はやっぱり八意(やごころ←永淋)が作ったやつが一番だからな。』
(『わかりました、では後で必要な薬を言ってください。』
光夜は二人を会話を聞いていて思った 。
(永淋さんって凄い人なのかな?)
『さて、じゃあ阿求のとこに向かおうか。』
慧音がそう言うと三人は寺子屋をでて近くにある“稗田阿求”と言う人の家に向かい歩き始めた。


ーーー少年少女×2移動中

三人が阿求の家に向かって歩いている時、光夜は妙な違和感を感じていた。
(・・・・、)
(なんだ?さっきから後ろの方から妙な視線を感じる・・・。)
(後ろに振り返ってみるか。)
光夜はそう思い急に後ろに振り向いた。
【バッ】
『・・・・、』
急に振り向いたのを不思議に思った鈴仙は光夜に話しかけた。
『どうかしましたか?』
光夜は振り向いた先を見ながら
『・・・・、いえ、気のせいみたいです。』
『・・・?そうですか。』二人がそう話していると、『二人ともちゃんとついてこい、後少しで着くから』と少し先を歩いていた慧音に言われ二人は慧音の後を追った。




『あややや、びっくりしました、まさか私に気付いたのでしょうか?』
文は光夜達を数十b後ろからつけていた。
『いや〜、勘が鋭いですね〜、これからは慎重に後を付けましょう。』
そう呟くと文はまた数b離れ後を追った。


ーーー少年少女×2移動中
ーーーーー【阿求宅】到着
『ここだ。』
慧音はそう言うと戸を二回ノックした。
数秒たった後、中から声が聞こえた。
『は〜い』
【タッタッタッ】
【ガラガラ】
『どなた・・・、て慧音さん。』
『こんにちは。』
『どうかしたんですか?』中から出て来た少女“阿求”は慧音に問い掛けた。
『ちょっと聞きたい事があってな。』
『そうですか、でわ中にどうぞ、お話はお茶でも飲みながら。』
と、阿求は三人を中に招いた。
中に入って居間に通された三人は机を囲むように座った。
『さて、まずは自己紹介した方が良いですよね?』
と阿求が光夜を見ながら言ってきた。
『あっ、じゃあ僕から。』光夜はそう言うと
『僕の名前は“桜楼光夜”です。』
『私は“稗田阿求”と言います。』
阿求と光夜は挨拶を交わし話を始めた。
『でわ、話と言うのは?』と阿求が聞くと慧音が答えた。
『まずは一つ、大妖怪“八雲紫”の居場所だ。』
『八雲紫さんの住んでる所ですか?』
阿求は少し考えて答えを出した
『ん〜、そうですね、八雲さんの住家は今だに判明してませんが“白玉楼”に行けばあえる可能性は高いと思いますよ。』
慧音はそう聞いて
『だそうだ。』
と光夜と鈴仙に向かって言った。
光夜はそれを聞いて
『そうですか・・・。』
と少し残念そうに言った。『そして二つ目、今まで幻想郷に“向こうの世界”から妖怪が来たことがあるか、だ。』
『外の世界からですか?そうですね・・・・。』
阿求はまた少し考えて答えを出した。
『・・・あった・・気がします。』
『!?』
光夜は驚いた
『本当ですか?』
鈴仙が聞いた。
『はい、確か昔の“幻想郷縁起”にそんな事が載っていたと。』
光夜がそれを聞いて
『それを見して貰えませんか?』
『見せるのは構いませんが私もどの“幻想郷縁起”にそれが載っていたか余り覚えてないんです。』
と阿求が済まなそうに言った。
『そうなんですか・・。』『あの・・・。』
阿求が光夜を見て言った
『探してみましょうか?』『え?良いんですか?』
『ええ、でもそのかわり後で色々聞いても良いですか?』
阿求の言葉に光夜は首を傾げた
『僕に・・・ですか?』
『はい、光夜さんは妖怪なんですよね?』
『はい、そうらしいですね。』
『らしいって、どう言う事です?』
阿求が首を傾げながら聞いた。
『あっそうでした、まだそれを言ってませんでしね。』
光夜は今置かれている状況について話した。


ーーーーー少年説明中


『と、言う訳で今“一時的な記憶喪失”なんです。』と光夜は阿求に説明した。『そんな事が・・・。』
阿求は少し複雑な心境で聞いていた。
『それで、僕は多分妖怪ですがそれが何か・・・?』光夜が質問の意味を問いた。
『いえ、私は幻想郷の妖怪を書き記した“幻想郷縁起”と言う書物を作っているので光夜さんは“外”から来た妖怪と言う事で希少な情報を得られるのではと思いまして。』
『そうですか・・・すみません、記憶が無いのでそう言う事は力になれそうにありません。』
と、光夜は申し訳なさそうに言った。
『そんな、こっちこそそんな事情があるとは知らずに。』
阿求がそう言っていると横に座っていた慧音が
『じゃあ、記憶が戻ったら協力すると言う事にしたらどうだ?』
と提案した。
すると鈴仙も
『私もそうしたら良いと思いますよ、光夜さんが本当に“外”の妖怪なら光夜さんの他にも“外”に妖怪がいると言う事ですし。』
と鈴仙は慧音の案に賛成した。
『そうですね、ではそう言う事で良いですか?』
光夜は慧音の案に頷くと阿求にそう聞いた。
『はい、確かにその方が色々な事を書き記せそうですね。』
と阿求も案に賛成した。
『では少しお待ち下さい、“幻想郷縁起”をお持ちしますので。』
阿求はそう言うと席を立ち他の部屋に向かった。




『これで良かったんですか?“八雲”さん。』
と阿求は部屋を出ると一人でそう呟いた。
すると阿求の目の前に目の様な形をしたスキマが現れ中から“八雲紫”が顔を覗かせた。
『ええ、上出来よ。』
と紫は言った。
『それで“これ”は貴女の仕業なんですか?』
『さぁ?なんの事かしら』『・・・・、それで何でまた“外の妖怪の事を聞かれたら遠回しに答えて”なんて変な事を頼んだんですか?』
阿求がそう言うと
『それはもちろん、』
紫はニヤッとしながら
『そっちの方が面白いからに決まってるじゃない、すぐに答えに辿り着くなんて面白くないし。』
そう言った。
『そうですか、で、何が目的なんですか?
幻想郷縁起を見せてあげてなんて。』
『さぁ、何かしらね〜。』紫は阿求の問いをはぐらかすと
『さて、私はまた傍観者に戻るからくれぐれも私の事は言わない様にね、じゃあまたね〜。』
そう言いスキマの中に消えていった。
『・・・・、何を考えてるんでしょうか。』
阿求はそう言いながら部屋から幻想郷縁起を持ち出し光夜達の居る部屋に戻った。
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