Fantasy Novel

□東方次境憚第4話
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『この辺りは霧が濃いですね。』
『霧の湖が近いからですよ。』
『ほら、見えてきました』光夜と文は霧の湖に到着した。
『広い湖ですね・・・』
光夜は周りを見渡しながらそう言った。
『さて、光夜さん。ここまで来ると紅魔館はすぐそこです、急ぎましょう。』
文は歩きだした。
『あ、はい。』
光夜は後を追った。



その二人を見る影が二つ・・・、
『ちょっと、チルノちゃん本当にやるの?』
『当たり前!ここはあたいの縄張り、そこに入ったなら容赦はしないっ。』
そう言い光夜達の後を尾行して行った。


が、その尾行は文に気づかれていた。
(あやや、これは良い実験台になってくれそうですね〜。)
文はそう考えると
『ちょっと、良いですか?光夜さん。』
光夜に話を持ち掛けた
『はい、なんでしょう?』光夜がそう答えると
『光夜さんはまだ一度も妖怪と戦ってませんよね?』と文が聞いてきた
『あ、はいそうです。』
『ふむふむ、では戦いに備えてここらで少し練習なんてどうでしょう?』
『練習、ですか?』
光夜がそう聞くと
『ええ、もしかしたらの為に。どうでしょう?』
文がそう答えた
『良いですけど、何をするんですか?』
光夜がそう言うと
『簡単です、今から私が力を使って見せますからそれを光夜さんの力で真似してください。』
文はそう言うと扇を構えて『行きますよ〜。』
前方を大きく扇いだ、
『それっ。』
すると扇いだ先から複数の鎌鼬が生まれた。
【ヒュン、ヒュヒュン】
鎌鼬は一定距離飛ぶと消えた。
『まぁ、こんな感じですかね。』
文はそう言うと
『では光夜さん、向こうの方に向かって今私が撃った鎌鼬ではなく竜巻を飛ばしてみてください。』
文は数十メートル離れた茂みを指差して言った。
『えっ、でも見てない技を出来るでしょうか?』
光夜は文にそう答えた。
『そこは想像力を働かせてですね、一度見た能力を使えるのなら私の推測ですが出来ると思うんですよ。』文はそう光夜に説明した。『は、はぁ、ならやってみましょうか。』
光夜はそう言い手に扇を持つようイメージして、
(大切なのはイメージ・・・、集中。)
構えて、
『はっ!』
前に大きく振った
すると
【ゴォォオ!!】
と言う音を立てて茂みの方に竜巻が飛んでいった。




ほぼ同時刻、チルノ達は。『チ、チルノちゃん本当に出るの?』
だいちゃんがそう聞くとチルノは
『怖かったらだいちゃんはそこで見てて。』
チルノはそう言い茂みを飛び出た・・・瞬間だった!【ゴォォォオ!】
光夜の放った竜巻が、
『そこのあんたた・・・ち』
チルノに直撃した。
【ビュゥゥン】
『きゃぁぁぁぁ!?』
チルノを巻き込んだ竜巻は森の奥に飛んでいった。
その直後、
『チ、チルノちゃん!?』だいちゃんはチルノを追い、森に入って行った。



『あ、あの文さん今・・・・。』
光夜が文の方を見ると。
『竜巻出せましたね。』
文が笑顔でそう言った
『い、いや、そんな事より今誰か竜巻と一緒に・・・。』
『あ〜、それなら大丈夫ですよ、チルノさんはそれくらいじゃ死にはしませんから。』
文は光夜にそう言った
『そうですか・・・、』
光夜はあることに気付いた『・・て、あそこに居るの知ってて僕に竜巻撃たせたんですかっ!?』
光夜は文にそう言った。
『ええ、気付いてましたよ。』
文はそう言い続けて
『まぁあのままにしてたらきっと面倒になってたでしょうから、技の特訓も出来て邪魔な妖精も退治出来て一石二鳥でしょう。』
そう言った
『はぁ、そうですか。』
光夜はため息気味にそう言った
(もし会う事があったら謝ろう)
そう思う光夜であった。
『では光夜さん、紅魔館まで後少しです、さっさと邪魔な妖精達が帰って来るまでに行きましょう。』
文はそう言いながら歩き始めた。
(・・・やっぱりいきなり特訓しましょうと言い始めたのは妖精さん達を退治させるつもりだったのか・・・?)
光夜はそんな事を思いながら文を追い掛けた。
少し歩いた後
『あっ、光夜さん。』
文はふと思い付いたように言った。
『何ですか?』
光夜がそう聞くと
『手っ取り早く紅魔館に行く方法がありました。』
文はそう答えた
『手っ取り早く、ですか一体どうやって?』
光夜が聞くと
『ちょとこっちに来て下さい』
と文は手招きして近くにくるよう言った
『はい』
返事をし光夜が文に近づくと
【ガシッ】
肩を捕まれた
『へっ?』
『じゃあ行きますよ〜』
文はそう言った
『えっ、ちょと行くってどこへ!?』
光夜がそう慌てて言うと文は羽を広げ光夜を掴み、
『てやっ』
大空へ飛翔した
『では飛ばしますよ〜』
文はそう言い紅魔館に向かい光夜を掴んで飛んで行った。
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