Fantasy Novel

□東方次境憚第5話
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【ガシャン!】
『いつつ、』
光夜が上を見ると見事に天井に人一人入るくらいの穴が空いていた
『さっきの戦闘で床にヒビが入ったのか・・・』
光夜は起き上がろうとしたが
『ッ!』
右足に激痛が走った
光夜が右足の方を見ると、足が瓦礫の下敷きになっていた
『どうりで凄く痛い訳だ・・・、』
光夜は足の上に乗った瓦礫をどうにか除けた
(折れてるか、いやそれほどじゃ・・・ヒビは入っただろうけど・・・)
光夜は傷と痛みでそう判断した
(とりあえず板か何か探そうか)
光夜はそう考えると左足に体重をかけるようにして壁に手をつきながら歩き始めた
(落ちたって事はさっきは一階に居たはずだからここは地下か・・・)
少し歩くと正面に扉が見えた、
『あの部屋に何か使えそうな物があったら借りようか・・・』
光夜はそう良い部屋の戸に手をかけた



【???視点】

今日はいつもより騒がしいけど、魔理沙が来てるのかな?
今日は私に会いに来てくれるかな?
【ガチャ】
誰かが戸を開けた
『魔理沙!』
戸を開けて入って来たのは魔理沙じゃなく知らないヒトだった
『・・・じゃない・・・あなただれ?』




光夜は戸を開けた
『魔理沙!』
『・・・じゃない・・・あなただれ?』
部屋の中には一人の少女が座ってこっちを見ていた
『えっ・・・、あ、えと僕は桜楼光夜って言うんだけど』
『ふ〜ん・・・』
少女は興味深そうにこっちを見ている
光夜はその少女の姿を見て瞬時に理解した

太陽のような金色の髪

吸い込まれるような紅目

いびつな形の七色に輝く宝石のような物が着いた羽

『フランドール・スカーレット・・・、』
光夜は少女の名を呟くように言った
『私の事知ってるの?』
フランは光夜の目を見てそう聞いてきた
『うん、本で見たから』
光夜はそう答えた
『ふぅん、そうなんだ』
フランはそう言うと
『ケガしてるの?』
光夜の足を見てそう聞いてきた
『さっき、落ちたときにちょっとね』
光夜はそう答えた
光夜は少し不思議に思った
(彼女がフランドール・スカーレット、悪魔の妹・・・確か長い間地下に幽閉されてるんだよな)
光夜がフランをじっと見ると
『・・・?』
フランもじっと光夜の方を見てきた
(悪い子には見えないけど・・・)
光夜はそう考えると
『少しここで休ませてくれないかな?』
フランにそう聞いた
『良いよ、おにいさん優しそうだから』
フランは笑顔でそう答えた『お、おにいさん?』
光夜は困ってそう聞き返した
『うん、男の人ってあんまり見たことないけど優しそうだからおにいさん』
フランはそう笑顔で言った『そ、そう』
光夜はそう言って部屋の隅に座った
するとフランが近づいて来て横に座って
『さっき上で戦ってたのっておにいさん?』
そう尋ねてきた
『うん、そうだよよく知ってるね?』
光夜はそう言った
『今日は魔理沙がきてる時みたいに騒がしかったから』
フランはそう答えた
『僕が入って来た時に魔理沙さんと間違えたみたいだけど、魔理沙さんはよく来るの?』
光夜は疑問を聞いた
『たまに遊びに来てくれるの、いっつも私が負けちゃうけど』
フランはそう言うと
『あっ、そういえばおにいさんは誰と戦ったの?』
思い出したように聞いた
『門番さんと』
光夜はそう言えば通じると思いそう言った
『美鈴とやったんだ〜、勝敗はどうなったの?』
フランはそう聞いた
『どうにか勝った、かな』光夜がそう言うと
『じゃあおにいさん強いんだ!』
フランはそう光夜に詰め寄った
『あ、いや、僕はそんなには強くないと思うよ。』
(実際、あの時スペルカードの使い方を思い出せなかったら負けてたろうし)
光夜はそう答えた
『そうなの?』
フランは首を傾げて聞いた『多分ね』
光夜はそう答えるとフランは考えるそぶりを見せ
『そういえばおにいさんは何でここに来たの?』
と聞いてきた
(“ここ”って紅魔館のことかな?)
光夜はそう思い
『記憶の手がかりを探しに・・・かな』
と、一言言った
『記憶?』
フランはそう不思議そうに聞いた
『実は記憶を無くしたみたいでね、手がかりを探してここに来たんだ。』
光夜はフランにそう軽く説明した
『じゃあ、おにいさんはどこから来たか分からないの?』
フランはそう聞いてきた
『ん〜、一応それっぽい場所は分かったんだけど』
光夜はフランにそう言った『そうなんだ、おにいさんはどこから来たの?』
フランはそう聞いた
『“ここ“とは違う他の世界・・・かな?』
光夜は自信なくそう答えた『違うせかい?』
フランは首を傾げそう聞き返した
『そう、幻想郷とは違うとこから来たみたい』
光夜は苦笑いしながらそう言った
『行ってみたいな』
フランがそう言って立ち上がった
『私今までず〜っとここに居たから』
フランは天井を見ながらそう言った
『・・・、』
光夜はそんなフランを見て言った
『もし・・・もし記憶が戻って帰る術が見つかったら一度遊びに来るかい?』
『ほんとっ!?』
フランはその言葉に飛びついた
『うん、キミさえ良ければね』
光夜は分かっていた、約束しても叶えられるか分からないとけれど
(あんなかなしい顔されちゃ約束したくなっちゃうよね)
『じゃあ約束!』
フランは光夜に小指をつきだしてきた
『・・・、うん約束』
光夜は少し躊躇ったが指を絡めた
『約束破ったらきゅっとしてどかーんだからね』
フランは指を離してそう言った
『うん、頑張るよ』
光夜は笑顔でそう言った
『おにいさんはこれからどうするの?』
フランがそう聞いてきた
『あっ、そうだった急いで白玉楼に行かないいけないんだった!』
光夜は思い出して足を気遣いながら立ち上がった
『もう行っちゃうの?』
フランはそう言った
『うん、あっでも・・・そういえば落ちた時に道が塞がってたな』
光夜が困った風にそう言うと
『じゃあ私が壊してあげる!』
フランは元気良くそう言うと部屋を飛び出した
『あっちょっと・・・』
光夜はとりあえず
『追いかけようか』
追いかけた




光夜が追いつくとフランが崩れた場所で待っていた
『おそいよおにいさん』
フランは頬を膨らませてそう言った
『足まだ痛むんだ、だから勘弁して』
光夜はそう返した
『あっ、そっか』
フランはそう聞くと
『それじゃあ、いくよ!』
崩れ瓦礫に向かい
手を挙げた
『きゅっとして』
フランが手の平を閉じると『どかーん!』
【ビシ、ビシビシ】
瓦礫にヒビが入り
【ガシャーン!】
崩壊した
『・・・すごい』
光夜はその光景に呆気に取られていた
(あれが“ありとあらゆるものを破壊する能力”なのか)
光夜がそう考えていると
『すべてのモノにはね目があってそれをきゅっとしたら何でも壊せるの』
フランが光夜の方を向いてそう説明した
『そうなんだ、』
光夜はそう返した
(今の力、僕にも使えるのかな・・・)
『おにいさん、あの階段を上ると一階だよ』
フランは壊した瓦礫の向こうにある扉を指差した
『あっ、うんありがとう』光夜は階段に向かって歩き始めた
『がんばってね〜』
フランは光夜を手を振りながら見送った
そして、階段を上りきる直前に光夜はフランの方を向いて
『色々ありがとう、約束・・・必ず守るから』
光夜は一言そう言ってその場を去った




その頃


【咲夜視点】


『いないわね』
(まったく、美鈴に一階を任せたは良いけどどうして待ち合わせ場所に居ないのかしら)
私がそう呟いた時だった
【ガチャ】
窓が開く音がした
『・・・!?』
私はすぐに音のした方向に振り向きナイフを構えた
『わっ、私です!咲夜さん!!』
そこにいたのは美鈴だった
『びっくりさせないでちょうだい』
私はそう言ってナイフを仕舞った
『よく見ると貴女ボロボロじゃない?それに貴女には一階を任せてたはずよ』
私がそう聞くと
『それが・・・、魔理沙さんじゃない方の侵入者に会いまして』
美鈴が申し訳なさそうにそう言った
『やられたの?』
私は美鈴ボロボロの恰好をみてそう言った
『・・・はい』
美鈴はまた申し訳なさそうにそう返事した
『そう、仕方ないわね今回は相手の実力が不明だし』(けど、美鈴だってそれなりに強いのに勝つのか・・・、気をつけないといけないわね)
私はそう考えると
『美鈴、相手はどんな攻撃をしてきたの』
そう美鈴に聞いた
『そうですね・・・人形での近、中距離攻撃と風での近、中、遠距離攻撃でしたよ』
美鈴は少し考えるそぶりをしながらそう答えた
『人形と風?』
私は一つ疑問を覚えた
『そう!そこなんですよ』美鈴も同じ疑問があるようだ
『最初は風しか使ってこなかったんですが途中から人形を出して使ってきたんです、それに風と人形を同時に操れるみたいで』
美鈴はそう解説した
『二つの能力・・・ね』
(厄介な相手、文は何一つ説明もせず行ったし全く思ったより面倒仕事だわ)
私はそう心の中で思うと
『美鈴、貴女はもう戻って良いわよ』
私は美鈴にそう言った
『はい、じゃあ門番の仕事に戻ります』
美鈴はそう言い走って行った
『さて、後は一階だけだしすぐに見つかるでしょう』私は溜め息混じりにそう言い侵入者を追いかけた





光夜は出口に向けゆっくり進んでいた
『ッ!』
(やっぱり足の痛さが邪魔するな、この状態で今日中に白玉楼に行けるのか・・・)
(薬でもあれば良いんだけど・・・)
『ん・・・、薬?』
光夜はある事を思い出した(そういえば!)
光夜はポケットから小さい薬瓶を取り出した
(永琳さんもらった薬があった)
よく見ると紙が張ってあった
『え〜と【自然治癒増進剤(妖怪用)】か、飲めば良いのかな?』
光夜は瓶の蓋を開けグイッと一気に飲み干した
『うっ、にがい・・・』
(まぁ、良薬口に苦しって言うし)
光夜がそう思っていたら体に異変がおきた
『・・・ッ!!』
(なんだっ!右足が急に熱く!!)
すると怪我をした右足が軽くなった
『・・・?治った?』
光夜は右足を試しにブラブラと振ってみたが
『痛くない・・・、』
(ほんとに治ってる・・・)光夜は驚きを隠せなかった(ふ、副作用とか無いよね・・・)
薬瓶には何も書いて無い
すると幻想郷縁起に書いてあった事を思い出した
(“あらゆる薬を作る能力”・・・か、)
光夜はそう考えると
『とりあえず先を急ごう』紅魔館の出口に向け急いだ
(そういえば今何個能力使えるんだろ?)
光夜は小走りしながらそんな事を考えた
(え〜と、風を操る能力、人形を操る能力、気を使う能力、あとは・・・)
光夜は先刻の出来事を思い出し呟いた
『ありとあらゆるものを破壊する能力・・・か』
(僕の推測が正しかったら能力の力は三分の一、良くて半減するみたいだけどこういう能力場合規模が小さくなるのかな?)
光夜がそんな事を考えながら歩いていると
(ん、ここが正面入口かな?)
開けた場所に出た
光夜が戸に向かおうとした時
『ッ!?』
光夜は殺気を感じた
『後ろかっ!』
光夜は咄嗟に横に転がった【シュン、シュシュシュン!】
光夜が避けた所に
【カカカカカ!】
ナイフが数本突き刺さった
『このナイフ・・・』
光夜は突き刺さったナイフをみてそう呟いた
すると
『挨拶もなしに帰るつもりかしら?』
奥の方から咲夜がナイフを構えて歩いて来た
『やっぱりダメですか』
光夜は振り返りそう言った
『そうね・・・、私に勝ったら通してあげるわ。』
咲夜はそう言いナイフを光夜に向けた
『・・・交渉の余地は?』
光夜はナイフを構え臨戦体制の咲夜にそう言った、すると咲夜は
『無いっ!!』
とそう言い襲いかかってきた
(やるしかない・・・勝てるか!?)
光夜は人形を咄嗟に構えた
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