貰い物小説

□御守り
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7月8日、午前0時14分。
沖田総悟は腹の上に跨って自分を見下ろしている神楽の顔をジッと見上げていた。



「何してんでィてめぇは」
「お前を見下してるアル」
「よーし今すぐそこから降りろ。犯してやらァ」
「冗談に決まってるだロ、このポリゴンが」
「ロリコンな。つか取り敢えず降りろ」



沖田の言葉に逆らうのかと思ったが予想に反して神楽は素直に腹から降りた。
その素直さに驚いた沖田だが表には出さずに上体を起こして下半身を覆う布団を退かす。



「何でィ。お前が素直に退くなんざ珍しいじゃねぇか。今日は槍でも降ってきそうだねィ」
「失礼にも程があるネ。言っとくけどな、私が素直になるのは今日だけヨ」



今日だけ?と首を傾げる沖田に神楽は呆れたように溜め息を付く。



「七夕の次の日、つまり今日はサドの誕生日だロ」



言われて沖田はハッとした。
護衛やら何やらで忙しくてスッカリ綺麗に忘れていたが、確かに今日は自分の誕生日だ。
しかし何故目の前にいる想い人が知っているのだろうか?教えた覚えは全く無いのに。




「・・・何でンな事チャイナが知ってんでィ」
「ゴリラ・・・つか此処の連中が私を見掛ける度に言って来たのヨ。『7月8日は沖田隊長の誕生日だから祝ってやって下さい』ってナ。何でか知らないけどみんな顔がマジだったネ」



ちょっと恐かったアル、と苦笑する神楽を可愛いと思いながら沖田は内心で隊士達に対し感謝をした。
よくぞ言ってくれた、と。もし、彼らが言ってくれなければ神楽はわざわざこんな所に祝いに来てはくれなかっただろう。



「サド」
「何でィ」
「此、プレゼントネ」



差し出された御守り袋。
受け取った御守り袋を見て沖田は軽く目を見開いた。



「此・・・」
「お前時々仕事で怪我してるの私何度も見たネ。そう簡単に死ぬとは思って無いけど、ライバルとして心配だからナ」
「・・・サンキュ」



神楽、と小さく名前を呼ばれた事に驚いた神楽だがニカッと満面の笑みを浮かべた。



「お誕生日おめでとうアル!」



END

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マユ様から頂いた沖田誕生日小説です^^
真選組の人達が神楽ちゃんに沖田君を祝うようにお願いされていたという所私敵にかなりツボでした!!!
マユ様素敵小説ありがとうございます!

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