貰い物小説

□幸せの飴玉
1ページ/1ページ

「好きと言ったら?」

あまりにも唐突に放った喧嘩相手の台詞は私の動きを止めるのに十分な言葉だった。

「はっ…」

「だから、お前が俺を好きだって言ったら?」

どうしてだろう…
顔が良くて、頭が良くて、スタイルも良い。そんな奴が゙私を好き?゙可笑しいじゃないか。

そんな事を思った告白から一年。彼は全く同じことを言うので時が戻ったのかと思う。

「…可笑しい…ア…ル…」

クスクスと笑う。
抱き締められた腕からは、すぐにでも分かるほどに震えている彼の腕に気付く。

でも…どこか優しく暖かく気持ちが良い。普段争って、本気で向かってくるような手からは考えられなくて…。

「…温かいアル。」

「おぅ…」

兄にも父にも…母にでさえ感じられない温もり。

「なぁ…今日何の日か覚えてやすか。」

「…私の…誕生日アル…」

「プレゼント…欲しいかィ?」

「勿論ネ!!」

笑顔で速答する。
我ながら何て単純何だろう…

「何??何??」

ワクワクしながら彼を覗き込んでると彼は私の瞳を急に塞ぐ。暖かい手が心地よい。

「何ア…んっ…」

口内いっぱいに甘い味が広がる。目が離された時には意地悪そうな彼の顔が瞳いっぱいに写る。

「何す…」

ズイッと出された袋の中には可愛い兎の紙に包まれた飴がたくさんあった。

「わぁ〜ありがとうアル。大事に食べるアル!!」

「そりゃ良かった。」

彼も私も自然と笑みが零れる。
彼のドッキリに気が付いたのは数分後。





幸せの飴玉
(袋の中には幸せのカタチ)







***
感想

夢月様のサイトで一目惚れして頂いてきてしまいました><
神楽ちゃんと沖田君のやり取りにニヤニヤしてしまいそうです。
夢月様素敵小説ありがとうございました><

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ