ルーキーズ
□2話
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転入の手続きを無事に終え、名無しさんはメールで塔子に連絡する。
『明日の練習試合...見にいってもいい?...っと』
ピッと電子音の後しばらくするとケータイが震える。
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塔子
「明日は用賀第一と練習試合か...」
自室にいた塔子はメールの着信音に気づく。
塔子
「あ!名無しさんちゃん!...明日来てくれるんだ!楽しみに待ってるね!...っと!」
しばらく本をよんでいた名無しさんだが、メールに気づき微笑む。
『よかった!...蜂蜜のレモン漬け持っていこうかな!』
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『なんだかんだ準備してたら午後になっちゃった...もう試合始まってるよね...いそがないと!』
名無しさんは荷物を持ち急いで家を後にする。
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名無しさんは河川近くを足早に歩いてると、草野球をしている子供たちがいる。
『道迷わないように気をつけなきゃ...』
歩くスピードを速めた名無しさんだが...
不意に足を止める。
『あれ?』
先日薬を渡した新庄がいた。
『良かった...傷治ってる...』
名無しさんは新庄に近づく。
『あの...』
新庄
「お前!」
『えっと...こんにちわ!...あの何かあったんですか?』
新庄
「何でだよ....」
名無しさんは優しい眼差しを向け答える。
『なんと無く...その...悩んでるのかな?...と』
新庄
「..........」
『..........』
沈黙を破り口を開いたのは意外にも新庄だった。
新庄
「...どこかいくのか?」
新庄は名無しさんの服を見た。
『二子学に試合の応援に行くんです!』
新庄
「...(他校か?こいつ?)」
『あの...でも...道が...』
名無しさんは恥ずかしげに最後は消え入りそうな声でつぶやく。
新庄
「いくぞ...」
『え?』
名無しさんは先に歩いていく新庄についていく。
『(思ったより優しんだなぁ...)』
しばらく新庄についていく名無しさん。