文章
□ヴァリアー1ヶ月1万円生活
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『1ヶ月1万円…だと…?……しかもコイツと…?』
「てめぇ今なんつった」
『え?なにも?なんか聞こえた?ボスの幻聴じゃない?あぁ、凍り付けの後遺症か…』
「今すぐそのドヤ顔やめねぇと消すぞ」
『すぐ怒る!もう!…まあとにかく、これから1ヶ月は長いからね。仲良くしていこうよ!…で、お金の管理はあたしでいいよね?』
「…ちっ、見逃してやるのは今回だけだ。それから、管理者は俺だ」
『は!?』
「おら寄越せ」
『え、ちょっ、や、やだ!』
「あぁ?」
『あぁ?はこっちのセリフなんだけど!ボスには無理だよ!』
「てめぇ…。ならなんで聞いたんだ」
『ただの社交辞令だろ分かれよ!』
「ふざけんじゃねぇ。そいつは俺が預かる。これは命令だ」
『やっ、ひっぱんないで!あたしの諭吉が痛がってるから!』
「俺の諭吉だ」
『あたしんだし!てかボスになにができんの!』
「はぁ?」
『掃除洗濯をしたことがなければご飯も作ったことない、支払いは全てカードで値段を気にしたことがない世間知らずのお坊っちゃまくんになにができるの!てゆうかさっき諭吉を見て、なんだこの紙キレは誰だコイツ生意気に睨んでやがるって言ってたよね!あんたお札見たことないだろ!このすねかじり虫が!諭吉の存在価値を知らないようなそんなヤツに諭吉は渡さない!』
「…黙れカス。てめぇこそなんなんだ。さっきから諭吉諭吉言ってやがるがてめぇはカードすら持ち歩かねぇじゃねーか。毎回俺と一緒に会計しやがって。赤い羽根募金したことねーだろ。マーモン以上の守銭奴じゃねーか。てめぇの金も使わねぇドケチ野郎に諭吉がついていくとでも思ってんのかよ。思いあがるな」
『はぁ?それはあたしが諭吉を大切に思うがゆえの行動だし。てか諭吉があたしの側から離れたがらないんだし。諭吉があたしを選んだんだし!』
「諭吉ほどの男が本気でてめぇみてぇなアバズレを選ぶとでも思ってんのかよ。諭吉と渡り合って遜色無ぇのは俺様クラスぐれぇだ」
『あっ、あぁー!返せクソボス!諭吉が汚れる!』
「はっ、諭吉をアバズレの側には置けねぇな」
『その見下した笑いやめろかっ消すぞ。ほら見て、諭吉が儚げな顔であたしを見てる!助けてって言ってる!』
「いや違ぇ。これは、改めて見たてめぇのブスさ加減に引いてる顔だ。よく見やがれ、この同情めいた瞳を」
『違うね!その瞳はボスに怯えてるんですー。あたしのもとに帰りたいって訴えてるんですー。分かったらさっさと返してよこれじゃいつまで経っても買い物行けないじゃん!』
「!、なにしやがる…」
『取ったー!もう!そんなに言うなら一緒に買い物連れてってあげるからそれでいいでしょ』
「…仕方ねぇな」
「おい、このすかした女と男はどこのどいつだ。てめぇ、俺の許可なくこんなやつらを囲ってやがったのか…!…おい諭吉の野郎はどこ行った」
『…ごめんボス。諭吉は漱石さんと一葉さんとはなかなか共存できない宿命なんだよ…だからその分、2人を大事にしよう…!』
はよ生活はじめろや
彼とあたしと1万円(ザンザス編)
(?なんだこのコインは。カジノのか?)(ぎゃっ!?500円玉が二つ折りになってるー!?)
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