長編夢小説
□第2話〜作戦決行〜
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【作戦決行】
昨夜、セネリオを中心にグレイル傭兵団、鷹王、鴉王が決めたオルネア兄弟奪還作戦。
早朝、彼らは拠点を出発し、兵もまばらなベグニオン帝国へと乗り込んだ。
傭兵団はまずカオリの捕われている地下牢の方へと足を向けた。
この時間は兵もかなり少なく、見張りの突破どころかベグニオンとクリミアの国境から一番遠い場所にある地下牢付近へ辿り着くことさえ容易いほどだった。
「セネリオ、カオリが捕われているのはこの牢屋で間違いないな?」
「ベグニオンにある地下牢は、これ一つのみです。
カオリは彼らにとって相当大切な人質なんでしょうね。」
「おい参謀、その割にはだいぶ警備が薄いじゃねえか?
そんな大切な人質だってのに、これじゃあ守ってるなんて言えんだろう。」
「鷹王、ベグニオンの人間がそんな簡単なミスを犯すと思いますか?」
「どういうことだ?」
顔をしかめた鷹王をたしなめるような視線を投げかけた鴉王が、呟くように言う。
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