乙男清雅 奮闘記
□0日目
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「清雅、突然だが…明日から住み込み調査をしてほしい」
「は?」
長官室に呼ばれ、飛んできた。
「住み込み…ですか?」
住み込みなんて3日あれば終わってしまう楽な仕事。
「ちなみに観察事案は西家の当主の動向を探ることだ。」
西家…?
あまり聞かない名前だな
そんな下流・中流貴族が何をするのだろうか?
ただの悪あがきにしかならないのに
(バカなやつらだ)
最終的には捕まるのに
「皇毅様、お言葉ですが…私より適任がいるじゃないですか?」
適任はもちろん紅秀麗だ。
たまには住み込み調査をしてみればいい
そうすれば少しは御史台も、静かになるだろう。
「紅秀麗は藍州へ行ってしまったのでな…仕方なくお前のところに来たわけだ」
いつのまに藍州になんか行ったんだ…
「紅秀麗でも良かったのだが、侍女は空きがないと言われてな…ならば清雅が適任だと」
侍女に空きがないって…そりゃあ中流貴族が侍女をたくさん雇うわけないでしょう。
ただでさえ厳しいのに