D.Grayman

□「独占欲」  
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 時は少し遡り、今日のお昼頃のことだった。いつものように昼食を食べ終え、なにも用事がなかったアレンは、談話室でラビとポーカーの勝負をしていた。久しくお互い任務などで会えてなかったラビと、ゲームに盛り上がり、時間も経つのもわすれてた。そこへ、水を差すように談話室の扉が乱暴に開かれたのだ。
 さらにそこには、激しい怒気を露わにした神田が仁王立ちしていた。
 目つきも最大級に悪く、ポカンとしているラビとアレン元へ、つかつかとやってきたと思ったら、アレンの腕をとり有無を言わず談話室から引っ張り出された。この部屋まで連れてこられるその間、神田は一言もしゃべらず、アレンがどんなに声を張り上げても「黙ってろ」の一点ばり。部屋に入ってからも乱暴にベッドへ投げ飛ばされた。すぐに覆い被さってくる身体に、展開がついていけずアレンは大した対抗もできず、組み敷かれる。
 ようやく我に返って激しい抵抗をすれば、今度は忌ま忌ましく舌打ちされ両腕を拘束された。
 たくしあげられたシャツを紐代わりにされ、ベッドへ結ばれる。バンザイの形をとらされ、腕の抵抗を塞がれたアレンは、目を瞠った。
 これまで、言葉などで脅されたことはあったが、実際縛られたのは初めてだった。
 よほど硬く結ばれているのか、どんなにひっぱっても結び目は解けず、それどころかシャツが擦れて手首に赤い跡をつくっていく。
 どんなに叫んでも神田は答えてはくれず、それどころかアレンの意志とは関係なく行為を進めていく。せめての抵抗で、感じないように歯を食いしばるが、神田の手に馴染んだ身体は、意志とは関係なく反応してしまう。
 敏感に快感をおって、身体を鯉のように跳ねさせる。
「あっ、あっ…、あ」
 神田の手がベルトを抜きズボンの留め具を外した。あっと思った瞬間にはズボンを抜き取られ、下着姿という心許ない姿を神田の前に露わにした。
 恥ずかしいなんて思う暇もない。
「ほら。もう、染みができてる」
「あぅ…っ」
 神田はそう言いながら下着の上から、形をなぞっていく。薄い布では、すでに形がはっきりとわかり、神田のいうとおりに、微かに一部分だけ色が濃くなっていた。とても直面視なんてできず、シーツに顔を押し付けた。
 なんとか恥ずかしいそこを隠そうと膝を閉じるが皮膚の薄い内ももに、つーと唇が這い、力がぬけていく。唇が触れる度、敏感に内ももが震える。時折、きつく吸いわれ、いくつも赤い跡が残った。
「あっん…ぃ、いや…神田、いやだ」
「なにが嫌なんだ?」
 じりじりと、下着が神田の手によって降ろされていく。まるで、見せ物のようなやり方に、アレンはかぶり振った。
 どうにかなってしまいそうだ。こんなやり方をするくらいならいっそのこと一気に降ろしてもらったほうが楽だった。なのに今日の神田は、アレン嫌がることしかしない。
「ふっ、…っう」
 きゅっと唇を噛み締め、目ときつく閉じた。  早く、早くと気がみ、無意識に合わせた膝を擦り合わせている。
 ようやく半分まで降ろされると、硬く力をもったそこは自身の力だけで下着をずり降ろしてしまい、ぷるンと揺れて外へ飛び出した。少し軽くなる。
 しかし、ほっとしたのも束の間、神田の手がそれを包み込こんだ。直接に触れられ、アレンに首を仰け反らせるほどの快楽がおしよせてくる。
 シーツを蹴ろうとした足が滑り皺を作る。
「あぁっ…!」
 ゆったりと神田の手が上下に動き始める。神田の手によってそれはあっという間にたち上がり、先端からは透明な愛液が滲み、神田の指を濡らした。滑りがよくなり、さらに神田の動きが早くなる。アレンからひきなしに甲高い声が上がり、シーツに身を泳がせた。布切れの音と喘ぎ声に煽られ、神田はその痴態にこくりと喉を鳴らした。あまりの淫らな光景に余裕があった神田の欲望も、我慢ができなくなってくる。
「ほら。ここ、いいだろう?」
「やぁ…っ!ぁ…くぅ…っ」
 指の腹で先端をグリグリと弄られると、腰が浮いてしまう、するとねだってるのかと鼻で笑われる。
 きっと顔はグシャグシャの上に真っ赤になってみっともなくなっているに違いないのに、それでも両腕を拘束されているおかげで、隠すこともできずそんな顔を神田に晒している。
 嫌なのに、こんな顔神田に見られたくないのに、顔を背けると不機嫌そのままに隠すなと怒られてしまう。
 腹のうらっかわにジクジクしたものが渦巻き、ドクドクと鼓動を早くする。耳の傍に心臓があるかのように、ひどく脈が大きく強く聞こえる。
 アレンは思考が身体についていってないまま高ぶらされ、なんだかよく分からないままに喘ぎ声をただひたすらにあげ続けた。
 しかしそれもいきなり現実に引き戻される。
「ひっ…だ、だめっ!!」
 神田の手が、奥に触れた。ビクンと、身体が跳ね強張る。しかし、片手でアレンのものを扱いているので、すぐにうやむやになってしまう。

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