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□俺のもの
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「っ、てぇな!」

いきなり暗闇から腕がのびてきて、裏路地まで引っ張られてきたと思ったらズザっ、と勢いよく突き飛ばされる

固いコンクリートに突き飛ばされたのだから痛い、としか言いようはない。


「...。」

突き飛ばした張本人はと言うと、心配という心も無く、ただただ倒れている男を冷たく見下ろす

その瞳からはゾクッ、と殺気がただよい

突き飛ばされた男、そう銀時は、突き飛ばした男、高杉の殺気を察知し、ブルリ、と身震いした

ここは一旦逃げた方がいいな
そう思った銀時は、静かに愛刀、洞爺湖に手をのばそうとするが、その手はあっさり高杉に捕えられてしまった


「よぉ、久しぶりだなぁ?銀時ィ」


口端を上げ、笑いながらやっと口をあけた高杉

だが、楽しいと言う笑みよりも何かを企んでいる笑みだ


捕まれた腕はしだいにミシッ、と骨が悲鳴をあげる。
「クッ、」

痛みに顔を歪める銀時だが、高杉はいっこうに力を緩めようとはしない

「痛ェか?痛ェよなぁ..?
でも、お前ェは痛ェの好きだろ?
昔はよく俺の下で鳴いてたしなぁ..」

黒い空を見上げながら、怪しく笑う高杉

「っ、うるせぇ..!

今の俺は違う!
もう、お前なんかには抱かれねぇ!」

耳を少し赤らめ、言いきる銀時

「あぁ、そうだよなぁ..

今は、真選組の鬼の副長に鳴かされてんだもんなぁ?
ククッ」

「なっ、おま、」

「..図星かぁ?」

少し怒り気味に答える高杉
銀時は、焦り必死で腕をふるい、高杉の腕から逃れようとする。
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