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□地獄の夏休み
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座ってろ、と土方はソファーを指さしながら言った
沖田は何も言わずにソロソロと言われた通りにする
土方は台所へ行くとカチャカチャと何か飲み物を用意している
沖田はする事もなく、ただボーっと部屋を見渡した
前だったらきっと土方とゲームなどをしていたんだろうなぁ、などと沖田は思った
でも
前には
もう
も
ど
れ
な
い
また微かに震え始める体を沖田は自分で抱きしめるようにうずくまる
突然ゴトリ、とソファーの前に置かれているテーブルの上にグラスが置かれる
「飲めよ、麦茶だ」
沖田は顔を上げ、グラスを見つめたまま止まってしまった
「なんだ?麦茶じゃ不満か?
それとも.....
なんか入ってる。ってか?」
ギロリ、と土方に見下ろされ
沖田はすぐさまグラスを手に取り麦茶を飲み干す
「っ、」
麦茶はとても冷たく歯にしみた
「くく、別にイッキ飲みしろとは言ってねぇぜ?」
「.....別に、」
あれ?
目の前が....
霞んで...
そのまま沖田の意識は途切れた
「おーおー、効き目が早ぇなぁ
今日は高杉呼ばずに俺がたっぷりと可愛がってやるよ」
土方はバッグを肩にかけ、家から出ていってしまった
しっかりと重たい鍵をかけて