Te

□クルッテル
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深夜...

屯所の皆も寝静まったころ

沖田はこっそりと部屋を抜け出し
そろりそろり、と長い廊下を歩く

たまにキシッ、と音がして皆が起きてしまうんじゃないかと心の中で思う


途中で、近藤さんの部屋の前を通ったが、明かりも消えており 獣のようなイビキが聞こえる


―――よかった、寝てる

内心そんなことを思いながら

さらに奥の部屋へ向かう



奥にある一室は
蝋燭の明かりが障子ごしにみえる


そう、副長室だ。

沖田は夕飯時に土方に話があるから皆が寝静まったころに部屋に来い、と言われていた


一体自分は何故呼ばれたのだろうか



仕事をサボって寝ていたことがバレたのだろうか

それとも昼間、土方さんの部屋にカエルを2〜3匹放り入れたのはさすがにマズかったのか...

いや、マヨネーズを全部隠したのも...

いやいや...アレかな...


よくよく思い出すと自分は呼び出されるようなことばかりしている...

そんなことを思いながら
部屋の前に立ち、失礼しやす。と言い障子を開けた


中では土方がタバコをふかしながら胡座をかいて座っていた



「よぉ、ちゃんと来たんだな」

ニヤニヤと妖しく笑いながら煙を吐き出す土方に沖田は寒気を感じた


「話ってなんですかィ?

俺は、早く寝たいんでさァ」

スッ、と部屋へ入り障子を閉める


「んー、まぁあれだ....

溜まったから相手しろ」

「はぁ?」


いきなり変なことを言われ、思わず 自分でも――何だ今の声 気持ち悪い!!――と思うくらいの声を出してしまった



「だからよぉ、セックスの相手しろっつってんだよ」

恥じらいもなく
よく男相手にそんなことを...


「土方さんちょっと疲れすぎじゃあ、ありやせんか?
もっと休みなせェ」


――そうだ、きっと頭の中で色々とぐるぐるしすぎなんだこの人は...

そうとらえ冷静に言い返す沖田


「別に疲れてなんかいねぇよ
溜まっちまったからよぉ...
一人で抜くのもなんだろ?どうせなら相手がいた方がいいしよ」


土方はタバコを灰皿に押し付けると、スッと立ち上がった



そんな土方に沖田は後ずさる


「ひ、土方さんならそこらへんの女でも捕まえてくりゃあいいじゃないですかィ」

冷や汗がたらり、と首元を伝っていくのが分かった


「駄目だ
女じゃすぐに自分から股開きやがる

そんなのつまんねぇだろ?
それにあいつらは体力がねぇ。
すぐに気絶しやがる」


白目むいてな、と土方は嬉しそうにつけたした



――いったいこいつはどんな性行為をしてやがるんだ
目を見開きながら障子に寄り掛かる沖田


「な?分かるだろ

だからお前がいいんだよ」

ずんずんと沖田に近寄ってくる土方に沖田は恐怖を感じた。


―――逃げなきゃ 逃げなきゃ でも....目をそらせない


気がついたら腕を掴まれあらかじめ敷いてあった布団に押し倒される


「おいおい、そんな怖がんなよ」

「放、してくだせェ!!アンタ本当に頭イカレちまったんですかィ...!?」


土方は沖田に覆いかぶさり、ジタバタ暴れる沖田を押さえ付けた


「そんな大きな声出していいのか?

皆が起きちまうぜ」

耳元でスッ、と囁かれたその言葉で沖田の動きはとまる


「別に毎日抱かせろとは言ってねぇんだ

いいだろ?」
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