□フォトフレーム
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また、見てる。
ほら、また。
そうまで気にかけさせるのは、羞恥心なのか、それとも…
フォトフレーム
つん、とかたく立ち上がった紅い尖りに舌を這わせて軽く噛んでやる。
途端にびく、と肩に力が入って、僅かに白濁しかかった体液が俺の腹を濡らした。
俺が腰を揺らして、先生がそれに呼応したように抜き差しさせて、互いの躯に挟まれた先生のモノは擦られてガチガチだった。
ああ、先生もうすぐ、イキそうだな。
せわしなく荒い息遣いで目を細め、髪に手を差し入れて首にすがってくる。汗に濡れた背中を支えて、視線を辿った。
もちろん、こっちがイキそうになるくらい情欲に濡れた瞳で俺を見つめてくれる。
だけどそれだけじゃない。
こうやって膝に先生を抱え上げ向き合ってるとよく分かる。
抱かれながら何度も、何度も見ている。
自分自身で伏せた写真立てを。
いつもは窓際に飾られてるそれは二つあって、一つは俺達七班のもの。
もう一つは、先生がまだ教わる立場だった頃のもの。
そう、四代目──俺の父ちゃんと二人の仲間と一緒に写っているもの。
カカシ先生はセックスが始まると、必ず写真立てを伏せる。
いや、どっちかっていうと、それが合図のように始まる。
最初は、ただ気恥ずかしいからだと思ってた。
でも回数を重ねるごとに、伏せているのにもかかわらず何度も写真立ての方を見る先生の姿が気になってきた。
父ちゃんへの罪悪感なのか。
部下とこんな関係になった居たたまれなさなのか。
それは分からない。
どれも当たってるような気がするし、はっきりとした答えとはどこか違う気もする。
でも俺にとって大事なのは、先生は写真立てを伏せてしまう気持ちよりも、この関係を続けたい想いの方が大きいってことで。
恥ずかしさだろうが後ろめたさだろうが、そんなん吹っ飛んじまうくらい幸せになれば問題ない訳だ。
そう思ったら俄然ヤル気も出てくるってもんだろ。
余計なこと考える余裕が無くなるほど気持ちよくなって欲しいから、目の前の白くて靭(つよ)い身体をもっともっと愛する。
ん、っく、と凶悪に可愛い声を洩らして俺の腰に脚を絡めてくるこの人の全部を離す気なんて更々ないのだから。
あの写真が色褪せ、朽ちるよりも永く隣りにいるよ、先生。
終
後書へ続く