並行する宇宙のひとつ
□雨宿り
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雨宿り
「うおっ!やべっ!降ってきたってばよ…!」
今朝のお天気ニュースでは降水確率20%と言っていた。
当然カサを持って来るはずもなく…
何で、こんな日に限って補習があんだよ!
心の中で悪態をつきながら、みるまに本降りになっていく雨の中を走る。
ぱしゃぱしゃと水音をたてながら駅までの道を急ぐ途中、小さな煙草屋の軒先が、ふと目に入った。
とりあえず、あそこで雨宿りするしかねえ!
俺は軒先に駆け込んだ。
ふう、と一息ついてから、空を見上げる。
空は黒いが、通り雨ならもう少し待てばやむはず。
「はあ〜、ゲキマユ先生のおかげで、ツイてねぇってばよ…」
ため息とともにそう呟いてみれば。
「…ゲキマユって…もしかしてガイの事?」
予想もしてないところから、聞き覚えのある声が、話しかけて来た。
えっ!
誰かいたのかよ!?
つうか、この声って…
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