忍であることの前に

□好き
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「あのさ、先生の名前って、何で“カカシ”なの?」

「……知らないよ。オレの父さんが付けたらしいけど、由来なんて聞いたことない」

「ふーん…俺、カカシ先生と初めて会って自己紹介された時さ、すっげー変な名前だと思った」

「変で悪かったな。お前だって充分妙な名前でしょ。ラーメンのナルトだなんて」

「うん。でも俺ラーメン好きだし、この名前も大好きだってばよ」

「…オレも。ラーメン結構好きだし、お前の名前も…お前にぴったりだと思うよ」

「先生の名前も」

「オレの?」

「うん。だってさ、雨風にさらされて日に照らされて、ボロボロになりながら、それでも何にも言わずにずっと立ち続けてるだろ?背中を向けて、大切な種や実を守ってさ。それって俺が見てきたカカシ先生そのまんまなんだ」

「…そう…かな」

「おう!違うのは、先生の顔が“へのへのもへじ”じゃねぇって事だけだってばよ」

「く…ぶはは、そりゃお前、いくらなんでも同じじゃまずいでしょ。ま、畑の案山子よりちょっとはマシな顔してるとは思うよ」

「マシどころか比べもんになんねーってばよ。でもさ、たとえカカシ先生の顔が“へのへのもへじ”だったとしても、俺の愛は変わんねぇけどな」

「お前って…やっぱり趣味悪いな」

「ええっ!そこはフツウ誉めるとこだろ?(…なーんて、照れ隠しなのバレバレ)」

「何ニヤニヤしてるんだよ」

「ん?何でもないってばよ。…それよかさ先生、今日ラーメン食べに行こっか?」

「ほんとに、好きだねえ」

「大好き!!」





あなたの名前も。

あなたに名を与えたひとも。

そこに込められた想いも。



それら全てを抱くあなたが、


ほんとうに、好き。







後書に続く
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