ポケットモンスターspecial

□エピソード:ワン
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ロトタウン…

この緑溢れる町に住む僕の名はシュウ

「よし!やったなフシギダネ」

ここは子供が多く集まる学校と言う場所が唯一この地方ににある町だ。

モラド地方…そうよばれるこの場所は周りを海で囲まれた島だ。

「シュウくん!遊んでないで早く行くわよ!」

「あ、レモン!すぐ行くよ!」

肩にムウマを乗せた13才の少女レモン


「いいよなぁシュウのやつ!」
「幼馴染みってズルいよなぁ」
「レモンちゃん可愛いよなぁ」

そんな話を後ろ耳で聞きながらフシギダネをボールに戻してレモンの方に駆け寄る


どうやって悪戯しようかと考えているような表情のムウマに対して、ズッと笑顔で待ち続けるレモン


ムウマと反対側を歩き出した俺は、今日あった出来事を話しながら帰路についた。



―自宅―

自分の部屋に入り明日の荷物の整理をし始めた時、

「ダネ!」
「ブイ!」
「こらこら、喧嘩せずに食べろよ?」

僕の大切な家族であるポケモン達、フシギダネとイーブイが喧嘩を始めた。

またいつもの餌の取り合いだ。

「全く、どうして喧嘩すんのかな…?好きなだけ食べさしてるのに…」

そのやり方が不味いと言うことは嫌でもわかる。

だが母は行方知れずで父も仕事で家にいない。

14才の独り暮らしには正直荷が重かった。


「頼むから仲良くしてよ…」

ピンポーン♪

時間は夜9時

何か余程の用事なのだろうか?

ガチャッ

「あ、シュウくん、こんな遅くにごめんね」

「レモン、どうしたの?」

その表情からは焦りと不安が伺えた。やはり何かあったのだろう

「うん…何かがね、呼ぶ声が聞こえるの」

そう言って指差した先はロトの岬

そこには石碑が1つだけ

昔このモラド地方で活躍した英雄の魂が祀られていると言われている。


「気味が悪いから一緒に来てもらえないかな…?なんて…」

「もちろん」

颯爽に家を飛び出そうとしたのだが、

「ダネッ!」

フシギダネがムチで僕の右手の袖を掴んんで何かを訴える

何分普通の人間である僕はポケモンの言葉は残念ながら分からないが

「フシちゃんたち御飯中だったんだね、流石に悪いからまってるわ」

レモンは昔からポケモンの言葉を理解出来る不思議な力を持っていた。

そのおかげで助かった事も少なくない。

「じゃあ悪いけど少し上がって待っててよ」

レモンは「うん」といつもの笑顔で言った

※その間もイーブイは食べ続けていた。









ロト岬―

「やっぱりこの石碑なのかな?」
完全に真っ暗な状態で見ると普段よりも不気味に見える

「近付いちゃ危ないよ!フシちゃんもそう言ってるよ!」

そう言われても近付かずにはいられない。そう言う性格なのだから。

「へへへっ……………ってうおわぁ!」


「きゃぁぁぁ!シュウくん!」

事故は本の刹那の気の緩みにつけ込んでくる。

石碑手前にあった小さな石ころで躓いたようだ。断崖絶壁からの転落死……にはならなかった。

「イテてて……………!?これって……レモン!」

「シュウくん!?無事なの?」


ちょっとした出っ張りがあったおかげで助かった。

いや、出っ張りなんてものではない。

そこにはまた別の石碑があった。


今まで誰にも気付かれずにここに陣取っていたのだろうか。

そんなことも無いと思うが聞いたことがない…

「フシちゃん、ツルのムチでシュウくんを引き上げてあげて」

「ダネッ!」

ムチが僕の身体に巻き付いてゆっくりと引きあげられた。

「シュウくん大丈夫!?怪我はない!?」

「全然大丈夫だよ!それよりこれ見てよ!」


石碑の前に備えられるように置いてあった1つの石盤。

「持ってきてもよかったのかしら…」

「気にすること無いと思うけどなぁ……それより持ってみなよ、目茶苦茶軽いんだ」

そう言ってレモンに手渡す。

「…これが…呼んでたの?」

とても石とは思えない軽さのその石盤がレモンを呼んでいたのだろうか?

ポケモンの声が聞こえる事はレモンにとっては普通だが、石の声まで聞こえるなんて聞いた事がない。

あるいはその石盤がポケモンなのだろうか……

レモンを見てみると不思議そうに石盤を見ていた。

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