ポケットモンスターspecial

□エピソード:ツー
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石板を見つけてからの帰り道

シュウのポケギアに一本の電話が入った

「わかった、じゃあね」

「おじさんから?」

それは父からの電話

頼みたい事があるから朝一で来て欲しいと言う内容だ

父は研究者で隣のマナセタウンにある研究所に住み込んでいる


「ふぅん、朝一かぁ…寝坊助大王のシュウくんがねぇ」

「ちゃんと起きてやるさ」

ポケギアのアラームを6時にセットする

「ふぅ、また強がって…」

「そこまで言うんなら起こしに来てくれるか?」

「冗談じゃないわ、いっそのこと泊まっていってよ。パパもママも出張でいないから迷惑かからないわ」

本当に強情だな…寂しいなら言えばいいのに、強がってるのはレモンもじゃないか

そう思うシュウだった








それから色々あった


ご飯はスパゲッティにするかカレーにするか…

御風呂を覗いたとか覗いていないとか…

一緒の部屋で寝たいとか駄目だとか…

(前者はレモンで後者がシュウ)

全てレモンの意見が通ったため一緒の部屋で寝ることになった二人

そして―





「ふぁぁ…おはようシュウくん、珍しく早起きだね…」

「結局一睡も出来なかった…」

布団自体は別なものの、緊張して寝ることなんて出来っこ無かった

時刻は5:30

シュウは良くあんなにも熟睡出来るなぁと眠たい目を擦りながら感心した

対してレモンは一睡も出来なかったのかと呆れるばかりであった

「着替えたいんだけど…」

「うん」

「出て行けって言ってるの!」

「痛ってぇ」

レモンはシュウにビンタをお見舞いした

シュウは横でムウマが面白おかしく笑っているのが目についた











「さて、ポケギアよし、財布よし、ローシューズよし、ムーちゃんよし、シュウくんよし!」

「僕は荷物か!?」

朝食時、急にレモンも行きたいと言い出したのだ

石板の事を父なら知っているかもしれないと

確かに考古学にも通じていると言っていたから行くのは良しとしよう

ただ…「何で着替えとか石板とか全部僕に任せるんだよ!」

「あら、じゃあ一人で行く?石板の事も聞いてきてよ?」

「くそぅ…」

相変わらずムウマが横で笑っていた


「さて、じゃあ出発しましょ」

陽気な笑みで滑り出すレモン

シュウは仕方無いと言わんがばかりの表情で追い掛けた






マナセタウンまでほとんど一本道のため、何のトラブル無しに着くことが出来た。

所要時間は一時間弱
こんなに朝早くから来なくてはいけないに釣り合う理由があるのだろうか

「父さん、来たよ」
「おじさん、今日は―」

中はガラクタ…もとい資料が山積みになっていて、その中の一角から父が顔を出した

「おお、待ちわびたぞ。早速で悪いんだが『これ』をヒチシティに運んでもらいたい、今日中にだ」
そう言ってラグビーボール型の変な機械をシュウに手渡す

「ちょっと待って、こっちも聞きたい事があるんだ」

鞄から石板を取り出し父に手渡す

「…?!これをどこで?」
シュウとレモンは、いままでの経緯をかいつまんで話した

「…成る程…しかしなぜ…あれほど…もしや……だが…まさかレモンちゃんが?」

石板を見詰めながらすっかり考えこんでいる父

「ワタシがどうかしました?」

「えっあぁ…いや、何でもないよ、とにかく私では詳しくはわからないな、レモンちゃんが大事に持っておくべきだよ」

石板をレモンに手渡す

「さあ早くインバーターを届けてくれ、時間が無いのでな」

「インバーター、ってこれのこと?」

「そうだ、ヒチシティのドアラ社のツルギと言う人物に渡してくれ」






そして…

父の研究所を後にし、外で遊ばせていたポケモン達をボールに戻したシュウとレモンは、隣のヒチシティに向けて歩みだした…

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