短編
□弱かった…から?
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何で10年後の俺は死んでいた?
俺が弱かったから?
それとも俺がダメツナを演じてたから?
【弱かった…から?】
「ねぇ綱吉。」
「何ですか?」
屋上で寛いでいた綱吉に後から来た雲雀が話しかける。
それに素っ気なく聞き返す綱吉。普通では考えられない光景だ。
「今何時だと思ってるの?」
今?…と綱吉は腕時計を見る。
時計は10時を回っていた。
「約10時ですよ。」
「そんなの知ってるよ。君、授業さぼってこんな場所で何してるわけ?」
「…さぁ?何してるんだろう…何してたんだろう?」
そのまま空を見上げてはぁ〜と溜め息をする。
雲雀はそれを見ながら綱吉の横に座る。
「今日は元気ないね。どうかしたわけ?」
「別にどうもしませんよ。ただ、10年後の自分は無様だな〜と、思った…だけでっ」
(雲雀さんの顔見たからかな。ヤバい、泣けてきた…10年後の世界であんだけ泣いたのに)
綱吉は上半身を起こし俯いてしまう。
「10年後で何か有ったわけ?」
「べ、別に無かった…よ。」
言葉と共に涙が流れ落ちる。
綱吉はそれを隠す様に授業受けなきゃね…。と立ち上がる。
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