短編

□卒業
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卒業

それを終えれば俺はこの並盛を出てイタリアに行かなければならない。

だけど、俺は骸にその事を伝えないし、リボーンや獄寺くんに口止めをしている。

明日は卒業式。

そして並盛と別れを告げる日…なんだ。

だから恋人で守護者の骸には一番に言わなければいけなかった。

「卒業かぁ…何か実感ないや。」

俺は最後になるだろう並盛中の屋上で横になって空を眺めていた。

明日はこんなにのんびり出来ないだろうから今日だけは思い出にふけっていた。

「色々あったよなぁ〜、リボーンと出合って、いきなり家庭教師だ!だもんなっ、笑ったなぁ…それから獄寺くんも転校してきて、ダイナマイト投げられて死ぬ気で火を消して、獄寺くんと山本が初めての友達(?)になって、あっ!ビアンキに殺されそうになったり、ビアンキの作ったハリネズミの変なスーツのせいで雲雀さんに噛み殺されそうになったり、って噛み殺されてた様な……ι」

思い出すと血の気が引いた。だけど、それより危なかったのは骸との戦いとリング戦…
「骸に最初あった時、捕らえられてる人だと思ったんだよな。だけど、敵のリーダーが助けようとした骸なんだもんな。」

色々あったな……

今思えば凄い事してきたよなぁ〜と。

よく死ななかったなぁ…って。

「笑い事じゃないよなぁι本気で死にかけたし…」


…キン…コン

下校時間。
毎日の様にこの鐘がなると要約帰れるって喜んでたなぁ。
そんなことを思いながら立ち上がるとキィーと鈍い音をたててドアが開いた。

「此所でしたか綱吉くん。」
「なっ、何で骸が並中にいんの!?」
「もう下校時間ですよ。」

ツナの質問を流し言う骸。
きっと何度聞いても教えてくれないんだろう。

「うん…帰ろうかな。」

名残惜しそうに周りを見渡し、一息付いて骸のいる屋上唯一のドアに足を進めた。







「綱吉くん。」
「何?」
「隠し事しないで下さいよ。」
「してないよ。」
「そうですか?」
「そ・う。」

家への帰り道。やっぱり言った方が良いのかなぁ…と弱音吐いちゃってる俺ってやっぱりダメツナのまんまかも…

そんなことを思ってる時点でダメダメだなぁι

「はぁ〜。」
「綱吉くん。何処まで行くんですか?」








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