短編

□貴方にとっての幸せを…
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人の幸せを願う時

それは

時に




【貴方にとっての幸せを…】




「骸、別れてくれないか?」

その言葉を口にしたのは他でも無い俺で、骸は目を見開いて俺を見た。

「理由を…理由を聞かせて下さい!」
「…そろそろ別れた方が骸の為にも俺の為にも良いんだよ。」

食って掛かる勢いの今まで見た事の無い怒りと悲しみが交ざった表情をする。

その表情を見ながら息を吐き言葉を紡ぐ。

「…超直感ですか?」
「そんなことだよ。」
「っ…僕は!」
「骸…骸にはやって貰いたい事があるんだ。急だけど日本に行って雲雀さんにこれを渡してきて欲しい。」

俺は骸の言葉を名を呼ぶ事によって遮って言葉を続け、引き出しから一つの封筒を取り出し机の上に置く。

「僕が邪魔なんですか?」
「違うよ。ただ、日本までのお使いに行って欲しいだけ。あと、休暇を3日あげるよ。だから羽を伸ばして来てよ。今度会った時はボスと守護者だ。」
「…分かりました。」

骸は悔しそうに唇を噛み締め、絞り出すような声を出し、机の上にある封筒を取りドアを開けて出て行った。







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