短編

□いつまでも君の側に
1ページ/2ページ


「恭兄!」

トテトテと危なっかしく駆け寄ってくるのは義理の弟の綱吉

「綱吉、こけるよ」
「うわっ!」

注意した瞬間に何もない所でこけるのは色んな意味凄い
前屈みに倒れる綱吉を支え、真直ぐ立たせると綱吉はへにゃりと笑い、ありがとうございます。と言う

「君はすぐこけるんだから走らない」
「ひょうひぃーいらいれふ〜〜!」

両手で綱吉の頬を引っ張り全くと溜め息を付く
まともに喋れない綱吉は痛いと言っている

「綱吉さん!」

走って来たのはこの子に付きまとう同級生、獄寺隼人と山本武

「ごふれらふん、らまもろ!」

まだ頬を引っ張ってるのでちゃんと喋れていない綱吉は面白い

「雲雀、綱吉さんを放しやがれ!」

喧嘩腰の獄寺隼人はこの子を独り占めでもしたいらしい
勿論そんな簡単にあげないけどね

「痛かったかい?」
「大丈夫です。恭兄、今夜何食べますか?」

頬から手を放し、綱吉と向い合い頬を撫でると目を細められる

「食べに行くかい?」
「はぃ!」

親は昨日から海外に旅行に行き、僕らは学校があるから行けなかった、行く気も無かったしね

「雲雀待ちやがれ!」

帰ろうと綱吉の肩を抱き、二人の世界を作っていると獄寺が邪魔をする
相変わらず煩い
こう言う奴は無視が一番いい

「恭兄、獄寺くんが呼んでますよ?」
「ほっときなよ。」

でも…と言おうとする綱吉の唇に人差し指を軽く触れさせる

「着替えないと駄目でしょ?」

チュッと頬にキスを落とし、獄寺が固まったのを横目で見て家に向けて歩き出した






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ