短編

□phantom
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「え?」

違うって…

「それどう言う意味だよ。」
「僕は、骸の分身て処ですよ。」
「分身って、じゃあ此所…」
「此所は、僕が幻で作った場所なんですよ。」

だから現実離れしてると思った。

なら骸は?

「骸は何処にいるんだ?」
「深い眠りについてますよ。」

そっか…

昨日骸と戦って、骸が負けて、連れて行かれるのを見る事しか出来なかった。

止められなかったその時の悔しさ泣いていたんだ…

でも目の前には少し幼い骸で、だけど会えたのが嬉しくてまた泣きそうになった。

「骸…ごめん。」

俺は俯き振えた声でそう言った。

「何を謝ってるんですか?僕はこの空間の中にしか居られない存在ですよ。実際の僕と何が有ったかは知りませんし、貴方に謝られる事もありません。」

骸はポンポンと頭を撫でてくれる。

俺の頬に涙が伝っている事に気ずく時には骸の腕の中にいた。驚いたけど俺はそのまま声を殺して泣いた。

「…っ…ひく…んっ」
「声出して良いんですよ。此所には僕と貴方しか居ないんですから。」

骸はよしよしとでもいう様に背中を擦ってくれて、嬉しい様な、恥かしい様なだけどもう少し頼りたくて、甘えたくて…声を出して骸の腕の中で思いっきり泣いた。







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