月夜アクアラング

□05弾
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23時。並中に行くと、綱吉さま達がもう着いていた。(ちなみに私は恭弥さんの家でお風呂を借りました)(服はさすがに自分で用意しましたけれど)


「愛吏…やっぱりスーツなんだね…」

『は、はい…、
スーツじゃないと、なんだかこう、やる気がでなくて…』

「な?やる気満々だろ?」

「それとはちょっと違うと思うよ愛羅……」


「――――――

始めてよろしいでしょうか」



私達を黙って見ていたチェルベッロの方達が、痺れを切らしたように静かに口を開いた。


『―…はい、大丈夫ですよ。』



23時に並中ということだけしか知らない私達は、チェルベッロさん(この呼び方で良いんでしょうか?)の説明を待つ。



「今回の夜空の試練のフィールドは、学校全体とします。
校舎内でも校舎外でも、校内からでなければ問題ありません。

尚、愛吏様の試練の相手となるのは――これです」


そう言ってチェルベッロさんが、ずっとそこに、喋らずに―…微動だにせずにいた人を指した


ただ1つ



『―――――……』



―――――――これ……?


そんな疑問を、残したまま。



――――……



これ、と言ってチェルベッロが布を剥いで現れたのは、


「……ロボット…?」


…人を型どったような、アンドロイド。
あんなもん愛吏の相手にならないだろうと思ったが、…どうやらやはり違うようだった


「え…?あ、あれ…ロボット…?」

沢田が隣で、小さく訝しげにそう言う。

「…チェルベッロ、説明、続けろ」

「はい。夜空の試練に制限時間はありません。ですが、愛吏様がこれを倒し、これが持つ時限爆弾を時間内に解除できなければ


両の観覧席が爆破されます」


「「「「「「「「?!?!」」」」」」」」


チェルベッロから愛吏に目を向けると、愛吏は声も出せないまま目を見開いていた

……あいつ…

――――何を見てる?


「チェルベッロ。
―…あのロボットの説明はねーのかよ」

「「………」」

2人は顔を見合わせてから、1人が観覧席に近づいてくる



「…あのロボットからは、
愛吏様に直接対する脳波が流れています。愛吏様に気付かれないように、微量にですが…愛吏様がこちらに到着した時点より、その脳波を流れさせていただきました。」

「試練は始まってねーだろ」

「お許しください。試練の為です」

「……、で、その脳波が、
愛吏にあれをロボットだと見せてないわけか」

「っ!?」

「…そうです。愛吏様はあれを、何か自分が恐れるものとして見ているでしょう」

「俺らの命掛けて、それに勝てるかどうかってことかよ」

「はい。夜空の使命とはそういうものです」

「………わかったような振りしやがる、」


愛吏が見ているもの。
それが何なのかは、俺にも、

――――…きっと愛吏にも、わからないだろう。




「それでは
―――夜空の試練、開始!」


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