長編小説
□第六話 その拳、世界のために
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南に向かって小一時間
ようやくサウスフィガロへの洞窟に辿り着いた三人
洞窟の入り口にはフィガロの兵士がいた
「エドガー様どちらに?」
「洞窟を抜け東のサウスフィガロを目指す。その後、北のリターナー本部へ赴く」
エドガーは兵士に事の状況を話す
「フィガロ城に戻ってこのことを伝えて欲しい」
兵士はエドガーに命を与えられるや傍らのチョコボに乗った
「はっ!お気をつけて!」
敬礼を済ますと一目散に駆けていった
「さ、行こう」
洞窟は松明が至る所に設置されておりナルシェの洞窟よりも断然明るかった
ただし洞窟内は所々でモンスターが徘徊しており抜けるまでに多少の苦労をした
やがて出口が見え陽の光が三人を包む
洞窟から抜けると一面に高い山々が聳え立っていた
それから東に進むこと約一日
海岸沿いに大きな街が見えてきた
サウスフィガロ…船が泊まることもあり商業が盛んな街、フィガロの機械技術もここで使われている
「ふぅ、やっと着いたな」
「さすがにちょっと疲れたな。今日はここで休んで明日コルツ山へ向かうとしよう」
と、これからの予定を決めていた時であった
「…なんかあの男の人…かな?黒ずくめでこういう街にはなんか不釣合いな気がしませんか?」
ティナが言う方に目を向けると確かに黒ずくめの男が歩いていた
三人はなんとなく気になったので後を追いかけることにした