サヴァイブ
□君だけは
1ページ/5ページ
「どうしたの?」
「・・・」
「カオル?」
***君だけは***
放課後。
久々にみんなの予定があった為、ルナ達はみんなで寄り道する場所を相談していた。
「僕ん家の近くに新しいゲーセンが出来たんだぜ。そこにしないか!?」
寄り道の言い出しっぺであるハワードが言った。
「え〜!それより皆で買い物しようよ!僕新しい機械の部品を買いたいんだ!」
すかさず反論を示すシンゴ。帰還後も、この2人は相変わらずの様だ。
「私は特に行きたい場所はないな〜。メノリはどこに行きたい〜?」
少々悩んだ後、シャアラはメノリに尋ねた。
「そうだな。・・・映画なんてどうだ?」
メノリはシャアラの質問に少し考えてから答えた
「映画かぁ〜、いいわね!・・・そいえば、この近くの映画館で今話題のラブストリーをやってるのよ!」
スケジュール帳を見ながらシャアラは言った。
シャアラは気になる本や映画などをスケジュール帳に書き込み、常にそれを持ち歩いているのだ。
「ねぇルナ!映画はどうかな?」
目をキラキラさせながら、隣を歩くルナにシャアラは声を掛けた。
「映画か〜。そうね!たまにはいいかも!皆はどう?」
帰還してから3カ月が経過しているが、未だルナは皆のリーダー的存在である。
「俺はいいよ!」
「あの映画か〜。・・・いいよ!買い物はまたにするから!」
ベルは人の良さそうな笑顔で、シンゴは一瞬考えてからいつもの人なつっこい笑顔で答えた。
「しょうがないな〜。この僕がお前らにあの映画の楽しみ方を教えてやるよ!」
帰還してから毎日の様に映画を見ているハワードは、今上映している映画は全て観賞済みなのだ
「カオルは?」
「別に構わない。」
一匹狼として有名だったカオルは、サヴァイブから帰還後すっかり角が取れ、笑顔が増えるようになった
「じゃあ映画館に行きましょう!」
ルナの掛け声で皆は映画館へと歩き出した