サヴァイブ
□Twilight
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「どうしよう・・・」
***Twilight***
太陽が人々の顔を赤々と照らす頃、カオルとルナは2人で歩いていた。
普段2人で帰るということはなかなか無いのだが、今回は珍しくいつものメンバー全員に用事が出来てしまったのだ。
遡ること少し前・・・
「みんな!帰りましょう!」
学校が終わった嬉しさか、ルナは普段より一段と元気な声でみんなに声を掛けた。
「ごめん!ルナ!今日、お父さんの誕生日だから早く帰って準備しなくちゃいけないの。」
顔の前で両手を合わせて申し訳なさそうな顔をするシャアラ。
シャアラの家はシャアラが帰還した後から、前にも増して家族行事に力を入れているのだ。
「そっかぁ〜。お父さんによろしく言っておいてね」
それを知っているルナは笑顔で答えた。
「メノリは?」
ちょうどこちらへ近づいて来たメノリに聞いた。
「今日は久しぶりに父と会食する予定なんだ。すまない。」
こちらも申し訳なさそうに答えた。
「僕も今日は早く帰ってこいって言われてるんだ。」
「俺も。」
ちょうどメノリの話途中に来たベルとシンゴも口々に言った。
「そっかぁ・・・。しょうがないわね。そいえばハワードは?」
いつもなら真っ先に帰ろうと誘いに来るのはハワードだ。今日はそれがないためにルナが皆に声を掛けたのだ。
皆は一斉に同じ方向を見た。
そこには机の上で干から
びたように突っ伏しているハワード。
「ハワードは今から1人だけ補習授業なのよ。」
ルナの疑問に答えるように、シャアラが小さな声でルナに囁いた。
今日は朝から、父親が久々に休みだということでずっと放課後の計画を立てていたハワード。
それがHR時の
「ハワードは居残りで勉強な〜」
という先生の一言で全てパーになってしまい、そのまま絶望に陥り机に突っ伏したのだった。
「みんな〜。僕が死んでもちゃんと骨を拾ってくれよ〜。」
虚ろな目で意味不明なことを呟くその姿は哀れの一言に尽きる。
「バカなこと言ってる暇があったら勉強しろ!!!」
「ひぃぃ〜〜!!!」
メノリの雷落下。
それを合図にハワード以外のみんなは三々五々にそれぞれの家に帰っていった。