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□つれない態度に、
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「よぉ」
『・・・何か用ですか?』
「会いに来ただけだ」
『なら早急にお帰り下さい迷惑です』
怪訝そうに俺を見上げる女。少し調べたらA組の奴だと知った。
俺が今までこんなに女にはまるなんざなかった、俺に近付いて来る女にざ興味なんか湧く訳がねェ。しかしこいつは逆に避けている。それが俺にとって新鮮でこいつを手に入れたくなった。
「また屋上来んだろ?」
『貴方には関係の無い事です。私の自由』
「・・・クックッ」
『何が面白いのか知りませんが先程言ったように帰って下さい』
淡々と話すこいつの声は透き通るようなソプラノ。
いつまでも聴いていたくならァ・・・。
「今日来いよなァ?来るなら帰ってやるよ」
ニヤリと笑えばこいつは眉を寄せて俺を軽く睨む。
『・・・・・・・・私が素直に行くとお思いで?』
「さァな」
『・・・え』
「今は帰ってやる・・・またあの歌聴かせろよ」
耳元てそう囁けば目を微かに見開き「聴いていたの?」とでも言いそうな表情をした。
こいつの新しい表情が見れただけで良い収穫だ。
つれない態度に、
(俺は益々お前ェが欲しくなる)