新表参道

□蒼天荀攸、恋めぐり
1ページ/6ページ

秋本番の、ある昼下がり。
「おーい、蒼天」
澄み切った空の下、一人思索にふけっていた荀攸は、声の方に体を向けた。
「おや地勢、どうしました?」
地勢と呼ばれた荀攸はクセのある髪をかきあげ、下げていた竹籠を荀攸の前に突き出し。
「楽進と栗拾いしたんだ。沢山採れたから栗ご飯にしておすそ分け」
「楽進・・・・・・」
「槍の楽進」
地勢荀攸の恋人は槍楽進。
「随分沢山炊きましたね。何を企んでるのです?」
ややきつく荀攸が問う。地勢は軽く肩をすくめ。
「企んでなんかいないよ。ただお願いなんだけど、コレ持っていくついでに、大水と軍師の様子見てきてくれないかな」
噂では二人はいつも「水を流す」だの「火であぶる」だの物騒なことを言っているらしい。
頭が痛い。荀攸はため息混じりに籠を受け取った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ