新表参道
□子母水
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――赤ちゃんできた。
並みの男性でも、相手からこう言われたら衝撃だろう。
まして、愛しいとはいえ「男」から言われた日には。
〜子母水〜
「楽進の子が産みたいんです」
荀攸の気迫に押されて、ゆらりと灯火が揺れた。華ダはじっと荀攸を見つめ。
「・・・・・・それは、自然の摂理に背くと承知の上でだな」
「はい」
ふう、と華ダは息をついた。やがて席を立った彼は器を手にして戻ってきて。
「飲んで交わりをもてば、男のまま妊娠する。だだし、己の命を削って子を産むことを忘れるな」
華ダの鋭い眼光は彼の言葉が単なる脅しではないことを雄弁に物語る。荀攸はためらうことなく机に置かれた器を手に取り、一気に飲み干した。