新表参道

□ブッシュ・ド・ノエル
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クリスマス。
他の荀攸達が各々恋人のところへ行く中、軍師荀攸は一人部屋で筆を滑らせていた。
「はあ・・・・・・」
荀攸は筆を置いてため息をつく。体を震わせたのは、忍び寄る夜気のせいばかりでもなさそうだ。
そもそもこの荀攸も、クリスマスは恋人――軍師法正――と過ごすつもりだった。ところが法正は、仲間内でクリスマスの話題になった途端に皮肉めいた顔になり。
『クリスマスが本当にキリストの誕生日だと思っているとは、全くおめでたいことだな』
こうまでクリスマスを嘲笑うのを目の当たりにして、一体誰が誘えるだろう。
「法正の馬鹿」
荀攸は机に突っ伏し、ここにいない恋人に恨み節を垂れた。
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