表参道

□ミッション2
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ある日のこと。
荀攸の部屋で夕食をすませた荀攸と楽進は、机を挟んで竹簡に目を通していた。
中身は、ルアクからの指令書。
「いやはや、参りましたなぁ〜」
荀攸はいつものほんわかした笑顔で楽進を見つめる。楽進は緊張した面持ちで。
「やはり、俺一人で行きますよ」
楽進がこう言うのも無理はない。何せ今回の指令は。
――車輪がかけている首飾りを奪ってみそ♪
という、ふざけたことこの上ない代物なのだ。
車輪、正確にはUC法正は計略『車輪の指揮』の使い手であり、『長槍閃陣』を操る軍師法正とともに槍のエキスパートである。コスト1.5ながら武力4、知力8を誇り、伏兵の特技と合わせて彼の実力の高さを物語る。
だが、問題はそこではない。
「あんな陰湿野郎のところに、あなたを行かせるわけにはいきません!」
・・・・・・そう、性格が蛇蝎のごとく陰険なのだ。睨んだだけで塵も残さず潰されたという、冗談のような話には事欠かない。楽進は軍略で荀攸が負けるとは思ってないが、毛ほどの傷でもあの男に負わされるなど我慢がならない。
「ありがとう、楽進」
荀攸は柔らかく微笑んだ。
「でもね、君一人で行かせるわけにはいかない、かな」
「しかし!」
「話は最後まで、ね。私も君も一人で行かせたくないなら、もうひとり加えればいい。指令書には人数指定はないからね」
はあ、楽進が曖昧に頷く。
「でも、誰を?」
餅は餅屋。荀攸は優美な笑みを浮かべて立ち上がり。
「さあ、助っ人を迎えに行こうか」
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