彩心闘記セクトウジャ・2

□レベル7・7
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爆炎と煙が徐々におさまる‥ホワイスを着き、倒れずに立っている雪永。

隠れた樹は燃えているが、博良もまた立っている‥

博良「カーターさぁぁぁん!」

散らばるカーターの‥残骸。

雪永「そんな‥そんな‥」

グリーン「優先事項クリア‥これより未確認破壊脅威5号の1員の殲滅に着手する。

総員、構え! ピンク、次弾装填」

ピンク「は、はい」

手が震える‥次こそ、自分は人間を‥その恐怖が今頃、重くのしかかる。

グリーン「装填済み次第、撃て」

冷たく言い放ち、グリーンはショットを構えた。

トルーパーズの銃口が鈍く光る。

博良「なんでだよ‥カーターさんが何をしたっていうんだよ!‥雪永‥雪永、逃げろ!」

雪永「くっ!」

なんとしても博良を守る。

ヘルメットの人物 (カーターさん) を守れなかった悔しさが、雪永の心に怒りをもたらし

雪永「なんで暴力なんかを振るいたがるの!!!」

凄まじく体内の生心力が爆発する。

頭の上に『レベル40』の文字が浮かび上がった。

ついに白色の僧侶 プリースト・バイスは覚醒した。

グリーン「撃て!」

引き金が引こうとした瞬間、駆け付けた付喪ライドからの砲撃が

雪永と博良を救う。

雪永「ルナさん!」

付喪ライト・04を停め、祈願大天使翼を愛・伝えまフォン-ピンクから展開。

ピーノもどんまいん、総右衛門はボムボーン・すとろんぐ、淑はガードボーン・てんだー

それぞれ取り出して、戦闘開始!

ルナ、総右衛門、淑がSSDとの戦いに突入しているとき

ピーノは破壊されたカーターと、寄り添い泣いている博良を労わった。

ピーノ「これは‥ロボットしゃんでしゅか?」

博良「いいや‥違う‥人間だよ‥俺の大切な友達だ‥それをアイツらが!」

ピーノ「SSDが‥」

ピーノの瞳にも、悲しみがあふれる。

博良は壊れたカーターを離そうとせず、抱きしめて泣いている。

人も機械も無い‥それはきっと、大昔

人と精霊が仲良く暮らしていたころの光景に似たものなのだろうと

ピーノは感じた。

ピーノ「そういう しぇかい (世界) にピーノはなってほしいでしゅ」

自身が操る魔法で、壊されたカーターさんを修理できないものかと考えるが‥

適した呪文が見つからない。

『ぱぴ』火の玉を撃つ

『ぷぷ』水を放つ

『ぽん』ビックリするような爆発

『ぱっぺ』召喚

『ぴるん』物体を動かす

『ぽふっ』その場に応じて、必要な道具を出す。(ロープ、ナイフ、ローソクなど)

『ぺりりん』ちょっと回復

『ぷるるん』身を守る。

『ぽぴろろ』縛める

『ぽっぱろーん』変身

ピーノ「うーん‥どう組み合わせたら、いいんでしょう?」

とりあえず

『ぱぴ』火の玉を撃つ

『ぷぷ』水を放つ

『ぽん』ビックリするような爆発

『ぷるるん』身を守る。

『ぽぴろろ』縛める。

『ぽっぱろーん』変身

は、除外して‥

『ぱっぺ』召喚

『ぴるん』物体を動かす

『ぽふっ』その場に応じて、必要な道具を出す。(ロープ、ナイフ、ローソクなど)

『ぺりりん』ちょっと回復

この中から組合わせられないかと思案。

『ぽふっ・ぺりりん』『ぴるん・ぺりりん』‥反応はない。

ピーノ「うにゅにゅにゅ!!!」

力を込めて、『ぴるん・ぽふっ・ぺりりん・びるん☆』‥‥‥

一瞬、輝いたと思ったのだが

すぐに輝きは消えて、何事も起こらない。

どうやってもカーターを修理できず

ピーノ「ごめんなしゃい‥ピーノ、まだ弱いでしゅし勉強不足でしゅし‥ごめんなしゃい」

博良は首を振る。

博良「いいや‥君が謝ることはない。

謝るのは俺さ‥カーターさんにも、雪永にも。

俺がバカで、臆病者で、自分の心に嘘ついて誤魔化して逃げて

あげく、雪永を危険な目に遭わせ

戦いたくないって言ってたカーターさんに守られて‥

代わりに‥代わりにカーターさんが‥」

ピーノ「こんなバカな戦いは、じぇたいに止めさせましゅ!

誰かが誰かを奪う戦いなんてピーノはキライでしゅ‥

だから、ピーノは戦いを止めさせるために今は戦いましゅ!」

どんまいんを手にピーノは走る。

ピーノ「ぴるん・ぽっぱろーん☆」

巨大化して、トルーパーズを蹴散らす怒りのピーノ。

総右衛門「ピーノ、怒りを憎しみに変えてはならんぞ!

怒りは悪しき罪に、赦しを貧しき心にじゃ!!」

ピーノ「ハイでしゅ!」

手加減して‥ド蹴散らす!!

グリーン「なんだあのピノッキオは!?」

ピンク「ど、どうしますか!?」

グリーン「どうもなにも‥撃て!」

ピンク「は、はい!」

ロケットランチャーを構えるピンク。

淑「お止めなさいませ、この どてかぼちゃ!」

ピンク「ど、どて? かぼちゃ!?」

引いたレバー‥発射されたロケット弾は淑の盾・タロに阻まれて燃える。

淑「『どてかぼちゃ』とは、土手‥河原に植えたカボチャ!

飢えをしのぐために植えられた土手のカボチャだけれど

カボチャは陽が当たりすぎると割れて使い物にならなくなる‥

転じて『どこにでも転がっている役立たず』という意味なのですわっ」

ピンク「な、なにを!」

淑「正しいも悪いも自分で判断せず、できず

言いなりになって誰彼を傷つけるるような女子を

土手カボチャと言って何が悪いんですのっ!

ジロ、噛んじゃいなさい!」

ジロはピンクを噛むように叩き

ジロを斬り伏せようとするグリーンには

淑「ハチ、ごー!」

3枚目の円盤・ハチが飛んでグリーンを打つ!

淑「わたくし、こう見えてもプンプンのカンカンのメラメラでございますのっ!」

淑の気合いにピンクは後ずさり、グリーンも思わず手が止まる。

総右衛門「よく、言った淑!!!」

ボムホーン・すとろんぐをバルカンモードに切り替えて、次々とトルーパーズを撃つ。

総右衛門「案ずるな、峰打ちならぬショック弾じゃっ」

誰1人血を流させていない。

グリーン「このまま、おもちゃたちに好き勝手言わせておけないんでね!」

ブレードを手に襲いかかるグリーンに、ルナは剣・メサイアを持って受け止める。

ルナ「正しい者は七たび倒れても、また起き上がる!」

グリーン「旧約聖書-箴言24章16節ですか‥」

ルナ「神の言葉を知りながら、なぜアナタ方は!」

グリーン「それが人というものさ!

その時々の権力者たちが、自分たちの都合のいいように作り物の神を信じさせ

その言葉に従って生きる者のみを飼い、他を捨てる!」

ルナ「作り物の神‥たとえそれが真実だったとしても

言葉の意味を考え、選び取り、実践し、胸に刻むことで人は本当の神の子として生きます!!」

グリーン「祝福ってヤツですか!」

ルナ「嘲笑う者には、祝福でなく哀れみを!」

グリーン「ふざけるな!」

切り結ぶ天使と兵士‥

そのむこうでズオンソーと2人の兵士・ブルーとイエローは戦っている。

ブルー「イエロー!」

『おう!』と返事をし、コンビネーションアタック!

ブルーが射撃でかく乱して、その隙にイエローはブレードで斬りつける。

ズオンソー「このっ!」

振り下ろすチャゼンコウを左腕に着けているシールドで防ぎ

近距離でショットを撃つブルー。

ズオンソー「ぐっ」

あとずさると後ろからイエローは斬撃!

ズオンソー「ぐぅぅ」

溜まらず悶絶‥

ズオンソー「お前たちは、コンビネーションが得意というわけか。

セクトウジャのようで、腹立たしい!」

人狼化する。

口は大きく裂け、獰猛で巨大な狼の姿‥さらにそこから立ち上がって

異形の怪物は爪と牙を光らせる。

振り下ろす拳はシールドを叩き割り、イエローの骨を折る。

イエロー「ぐわぁ!」

ブルー「釜石!」

助けようと割って入るブルーの腹部へ、チャゼンコウをめり込ませた人狼だった。

ブルー「う‥うぅう‥」

身体から力が抜けていく。

イエロー「お、織田!!」

痛む腕を抑え、叫んだ。

ズオンソー「フン‥レベルの無い人間如きが。

だがまぁ、戦士としては認めてやろう。

俺をこの姿へと変えさせたのだから」

力任せに鉤爪を抜く。

血を吹き出しながら、ブルーは倒れた。

雪永「ニハーイィ・アダド・イラーグ・アズラク!」

駆ける雪永は、最大級の強化呪文をつけて

大人数への回復呪文を唱えた。

みるみるまにブルーの血は止まり、イエローの折れた腕も治る。

雪永「早く逃げてください!」

ブルー「お前は‥」

傷が跡形もなくなっているのに気がつき

ブルー「これが‥魔法か‥」

イエロー「織田! よかった」

織田に駆け寄るイエローの腕も、治っていることに驚くブルー。

雪永「アイツは僕に任せて、速く逃げてください!」

そう叫んで、ズオンソーと戦う雪永。

ブルー「それはできない! 俺たちも国民を守らなければ‥」

ピーノの大きな足が2人の目の前に現れて

イエロー「うわっ」

避けるブルーとイエロー‥魔法を解いて、目の前に立った。

ピーノ「ここはボクたちが守ると言ってるんでしゅ!

あなたたちは善い人でしゅか!? それとも悪い人でしゅか!?」

イエロー「そんなこと決まって‥」

ピーノ「そうと言えるんでしゅか!? ボクの仲間の檸檬しゃんの かじょく(家族)は、

アナタたちを支持しゅる人たちに傷つけられました‥

しょれを、正しい行動だとアナタたちは言いましたっ」

ブルー「待て、何のことだ?」

ピーノ「集団暴行事件のことでしゅ!」

イエロー「集団‥そうか! 確か俺たちSSDか国守軍かの制服に似ている服を着た女の子が

国と俺たちを支持をしている集団によって暴行されたって‥」

ブルー「あ! あれか‥無罪嘆願書の署名活動があったっていう」

ピーノ「そのしぇいで、檸檬しゃんは苦しんでましゅ! 家族も傷ついてましゅ!!

それだけじゃないんでしゅ!!! ボクたちは家の付喪堂を出ていかなきゃいけなくなるし

家族や仲間、みんなが苦しんでいるんでしゅっ。

そんなアナタたちが、善い人たちなんでしゃか!?」

イエロー「じ、自分たちは国民を守るために戦っている」

ピーノ「国民ってどこの誰でしゅかっ」

ブルー「それは、この日本の国民だ」

ピーノ「ならなんで、あのロボットしゃんを‥ああしてしまうんでしゅか!」

ブルー「あのロボット‥TR-P-as-21539のことか?」

ピーノ「ロボットしゃんだって、この国に住んでいるんじゃないんでしゅかっ」

イエロー「アイツはロボットで」

ピーノ「ボクはぬいぐるみでしゅ!」

イエロー「そ、それは」
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