彩心闘記セクトウジャ・2

□レベル7・7
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ピーノ「ロボットだろうとぬいぐるみだろうと、動物しゃんも植物しゃんも

虫しゃん、魚しゃん‥道具しゃんも家電しゃんも、みんなみんな、みーーんなっ

この国にいるじゃないでしゅか! しょれをなんで守ってくれないんでしゅか?

ピーノ、すっごく怒ってましゅ! 日本日本っていいましゅけど

世界は日本だけでしゅか!?

ピーノはイタリアで生まれてアメリカで人気者になって

千葉に住んでて、そこから おかあしゃんとおとうしゃんのところに行って育って

付喪堂の家族になった、ぬいぐるみでしゅ。

日本の人たちもそうじゃないんでしゅか? 食べ物やエネルギー、自分たちで作れても

それで じぇんぶは支えれない。

誰かが食べれないなんてないように、たくしゃん作ったり買ったりしなきゃいけましぇん。

日本中で作れる分だけでは足りないんでしゅ!

お薬だってそうでしゅ‥じぇんぶのお薬を日本だけで作れたんでしゅか!?

大昔からずっと今まで、どこの国にも教わらじゅに、医療を発展さしぇられたんでしゅか!

違うでしょ!? 世界の人たちの力で日本は大きくなったはずでしゅ。

日本のおかげで、大きくなった国もあると思いましゅ。

世界中で支えあって生きていけるんじゃないでしゅか。

なんで日本だけを守ればいいなんて思うんでしゅか?

ピーノたちは日本も世界も、精霊世界も宇宙も守りたいんでしゅ!

守ろうと戦っているんでしゅ。

戦うのは悪いことだけど、しょれで誰かしゃんたちの多くの笑顔が守れるなら

ピーノは戦いましゅ。

でも、戦う相手も守りなしゃいと教えられてましゅ」

ブルー「戦う相手を‥守る?」

ピーノ「戦っても殺し合っちゃダメなんでしゅ。

だって相手も命なんでしゅ!

守ることは命を たいしぇつ (大切) にしゅることでしゅ。

命は自分にも相手にもあるんでじゃないでしゅか‥

命を奪わずに済むことが出来るなら、苦しくても難しくても まじゅ (まず)

そっちを ゆうしぇん (優先) しゅるべきなんでしゅ!!!

襲ってくるのは戦って阻むんでしゅ‥でも命を奪うこととは別でしゅ。

しょれが守るための戦いでしゅ。

SSDも国守軍も、戦うことが命を奪うことと

おなじことになってるじゃないでしゅか!

しょれをボクは許しぇましぇん!!!」

気持ちを真っ直ぐにぶつけたピーノ。

ブルー「戦うことと、命を奪うことが‥いっしょに‥」

イエロー「確かに‥暴行事件はただの犯罪だ。

自分たちは認めたワケじゃない」

ブルー「そのことは信じてくれ。

少なくても、俺と釜石は認めちゃいない‥あんなのは、ただの犯罪だ。

だが‥そういった国民の暴力的な感情を

助長させてしまったのは俺たちにも責任がある‥国には重くある。

国防というものを、守るということを俺たちは

もっとしっしかりと学ぶべきなんだろう‥」

イエロー「付喪堂‥君たちにはまた、本当に大切な事を教えられた‥

向こうで副隊長やピンクと戦っている犬のぬいぐるみも付喪堂だったな。

以前、俺はパンダに命の大切を教えられたのに‥」

ブルー「俺はあの犬のぬいぐるみだった‥正義とは何かを

教わった気がしていたのに‥ダメだな、俺も」

ピーノ「パンダはおにいしゃんでしゅ‥伝助っていうんでしゅ。

犬しゃんは総右衛門しゃんでしゅ」

ブルー「俺は織田」

イエロー「釜石だ」

ブルー「キミは?」

ピーノ「ピーノでしゅ」

イエロー「おほえておくよ、ピーノくん」

ブルー「俺たちは俺たちで、これまでの戦いで思うところがある。

でも今はまだ力及ばずで、どうにもならないことばっかりだ」

イエロー「自分たちもこのままで良しとはしない。

緑茂‥さんっていったかな‥キミたちの仲間だろ」

ピーノ「翠季しゃんでしゅね」

ブルー「俺たちも必ず、守るための戦いを考え、行う。

もうすこしだけ待っててくれ‥俺と釜石で、やれるだけやってみる」

イエロー「ピーノくん‥ここは君たちに任せた」

ブルー「俺たちは周囲の人たちの避難誘導に行く‥

すまないが、俺たちを吹き飛ばしてくれないか?」

ピーノ「なんででしゅ?」

ブルー「今はまだ、SSDや国守軍‥国に潰されるワケにはいかない‥

潜んで行動しなくは、何も出来ない現状だから」

イエローは大きく空振りするのを承知でピーノに斬りかかる。

避けるピーノへブルーはキック。

難なく、どんまいんで防ぐピーノ。

ブルー「さっ、飛ばしてくれっ」

イエロー「また会おう‥仲間たちにも伝えていてほしい」

ピーノ「やくしょくでしゅね‥」

ブルー「ああ‥男と男の約束だ!」

ピーノ「うにゅにゅにゅ! ぽん・ぽん・ぽん☆」

ビックリするような爆発魔法3発‥

連続で撃つと、ブルーとイエローは吹き飛ばされ

公園外へと消えた。

ピーノ「頼みました‥青田しゃん、釜黄しゃん」

若干、名前を間違って覚えているピーノだったが

想いはしっかりと結ばれた。

そして魔法杖・どんまいんを剣・ないすーんに変えて

ズオンソーと戦う雪永のもとへ急ぐ。

グリーン「ピンク、ブルーとイエローは!」

ピンク「ダメです、通信も途絶えました」

ピーノとの戦闘で、爆発に吹き飛ばされた2人をピンクは案じた。

グリーン「なんのマネだ‥なにか企んでいるのか?」

ブルー、イエロー両名の動きに不自然さを感じ

グリーンは訝しむ‥しかし、確証はなくそれに‥

総右衛門「いい加減に退くがよい!!」

ボムボーン・すとろんぐの4つの砲門を、バルカンとバズーカに分けて連射する。

淑は合わせてガードボーン・てんだーの3枚の円盤を自在に操り支援攻撃!

ルナ「羽根よ!」

6枚の羽根が結集し、回転しながら各ビームを地面へと撃つ。

巻き起こる爆炎と風、そして集中砲火と噛みついてくる3枚の円盤にグリーンもたまらず

グリーン「くっ、仕方がないか‥退却!」

負傷や気を失い、倒れているトルーパーズをそのままに

グリーンとピンクは撤退。

ソルジャーズに付き従い、残るルーパーズも撤退した。

淑は撤退するソルジャーズとトルーパーズをしり目に

倒れている兵士たちに‥淑特製の回復丸薬を飲ませた。

ボンっ、ボボンっ、ボボボボボボンっっっ

それは壮観な連続口内爆発‥全員気絶。

淑「目がお覚めになったら、気分爽快元気満タンですわよっ」

ウインクひとつ残し、雪永のもとへ。

総右衛門も『やれやれ』と笑いながら突撃。

ルナ「あなた‥その方のこと、お願いします」

博良「え? あ、ああ‥カーターさんは俺の大切なともだちだ‥」

行こうとするルナへ

博良「天使さん!」

振り向くルナ。

博良「雪永のこと‥お願いします。

アイツも大切な友達ですから」

ルナ「ええ、必ず守ります」

笑顔を見せて戦いに飛びこむ。

雪永「はあぁぁぁぁ!」

ホワイスでズオンソーを払う。

そこにピーノが突き。

避ける人狼は拳を振るが、淑が操る円盤がピーノを守った。

総右衛門「うりゃりゃ!」

出力を通常に戻して、ブラスターモードで攻撃。

ルナ「はっ!!」

メサイアで斬りかかるルナ。

総右衛門「さて‥雪永殿、ここから墨彦殿のもとに移動いたしまするっ!」

雪永「えっ? どうやって‥」

淑「細工は流々、仕上げをごろうじあそばせですわっ」

ルナ「ピーノ!」

ピーノ「はいでしゅ!」

唱えた呪文は『ぽぴろろ・ぴるん☆

『ぽぴろろ』縛める魔法と『ぴるん』物体を動かす魔法の複合魔法は

ズオンソーの身体を縛り、宙に浮かせた。

次にピーノは『ぽふっ』と、その場に応じて必要な道具を出す魔法でチェーンを出し

淑「タロ。ジロ、ハチ!」

ルナ「羽根よ!」

6枚の羽根と3枚の円盤とズオンソーをチェーンが結び

総右衛門「雪永殿、セクゾーストできゃつの前へっ」

雪永「う、うん!」

セクゾーストに乗るとチェーンが後ろに結ばれる。

総右衛門は愛・伝えまフォン-黄を持って『ポチッと』ハートフィールドへの扉を開く。

総右衛門「そこを通って進みなされ! いつピーノの魔法が破られるかしれませぬっ

お急ぎめされい!!」

雪永「わかった!」

総門「道案内はそれがしたちに、お任せあれ」

扉に入る雪永たち。

公園には、破壊されカーターを抱いた博良と

当分、目覚めそうにないトルーパーズが残った。


都内

紅と蒼唯、緋色と菫‥肉親と親友の戦いを呼び寄せ、蝕自身もその戦いの中に入っていた。

両手に持つ短剣で襲い掛かる牡丹に蒼唯は、ケンザーで対抗。

ぶつかり合う刃の向こうでは、姉と弟が衝突している。

紅へ向けて槍を突こうとしている蝕に、蒼唯は左手に持ったブルュッタを撃つ。

蝕「チッ

機会を削がれて、苛立ちも露わ

蒼唯へと跳びかかる。

蝕「お前から死ねばいい、魔法使い!」

蒼唯「私は菫と決着をつけるまでは死ねない!」

牡丹「今は、あたしだ! あたしがお前に引導を渡す!!」

蒼唯「出てこい、菫! 私はお前と‥」

蝕「殺しあいたいんだろ!?」

ゴルゴダの突きは強烈で、危うく避けても

逆方向から牡丹のナイフが背中を斬りつけ

マモーブに守られながらも大苦戦の蒼唯。

蒼唯「私は菫を‥」

『救いたい?』『眠らせたい?』亡霊を救うということは眠らせるということなのだろう。

だが、何かほかの道が無いかと考えてはみるが

『ダメだ』と、あきらめが先を行く。

牡丹「おらぁぁぁ!」

跳び膝蹴りが襲い来る中、蒼唯は力が足りない自分をもどかしく感じた。

覚醒はいまだならず、決心や覚悟というものも不安定で‥

蝕「力が欲しい? だったらアナタも、あの戦士ちゃんのようになればいいのよ。

狂戦士になったように、暗黒の魔法使いに‥ね」

蒼唯「なんだと? そうか‥おまえが檸檬を!!!」

蝕「誤解しちゃやぁよ、あの子が勝手に狂戦士になったんだから」

蒼唯「黙れ!」

右手にケンザー、左手にはブルュッタではなくジュウザーを持ち

蒼唯は猛然と蝕に挑みかかる。

牡丹「テメェの相手はアタシだよ!!」

追撃する牡丹に蒼唯は‥瞬間的に本来の力を発揮する!

スルスルと腕を絡め取り、脚をかけて複合の関節技。

そのまま背後から腕を牡丹の首に回して、後方へ引き倒して頭部から落とす。

首の骨が折れる音が、牡丹の首が発せられた‥

菫「あは♪あの時と同じだね、蒼唯‥素敵な表情‥」

不自然に折れ曲がった首のまま、牡丹から菫に変わったピオレータは言った。

サッと身を翻し、間合いを取った蒼唯だったが

蒼唯「また‥まただ‥。

力が無ければ救えもせず、力を持っても救えない‥私は‥私は!」

苦悩‥蒼唯の心をかき乱す。

紅「蒼唯ちゃん!!!」

緋色へ1撃放って、急ぎ駆け付ける。

そんな紅に蝕はメギドを吹きならし、緋色はクリムゾンに乗って攻撃。

首も元通りにピオレータは2丁拳銃を乱れ撃つ。

集中砲火を浴びる紅と蒼唯。

2人を守るように飛び入る、朱色と銀色の光球!

攻撃を身にまとう光で消し去った。

蝕「いらっしゃい、兎さんと猫さん」

それぞれのアクセル機能を解除して、源左衛門とメアリーが立つ。

後方に自働停車した2人の付喪ライド。

メアリー「蝕! あんまり おイタがすぎるんじゃないのかい!?」

源左衛門「お前がルナの姉であろうとなかろうと、傷つける者を許してはおかない‥

その性根、叩きなおしてやろう」

人参聖刀・八百宗と鮪魔剣・魚正を構える2人。
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