彩心闘記セクトウジャ・2

□レベル7・5
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次いで

伝助「突撃ぃぃぃ!」

群に突っ込む付喪ライナー。

まるで水面を走る高速船のよう‥

波しぶきを巻き上げるがの如く、グリゾンビーを蹴散らした。

すると、ミサイル、レーザー、バルカン、キャノンと各砲門が次々火を噴き

ドリル、ソーサーと縦横無尽にアームは動いて猛撃。

もはや某・怪獣王のように、手を付けられない状態と化す付喪ライナーだった!

伝助「いけー! 口から熱線やぁぁぁ!!!」

缶吉「それは無理じゃけぇ」

苦笑いの缶吉をよそに、伝助のテンションはウルトラMAX!

伝助「城や、城を攻め落とすでぇぇぇ」

缶吉「いやいや、怪獣と違うさけぇ」

伝助「ちごたっ! 城へ向かうんやっ」

走る付喪ライナー。

そのけたたましさは、サッキュバスを弾き飛ばす。

ジャシン「アイツらが来たのか」

インガ「助かったってところね」

カルマ「なんだ? あのバケモノの様なマシンは」

インガ「伝助が作った列車よ、移動戦闘要塞列車」

ジャシン「クク、ミライにも1台作らせるか」

インガ「おもちゃじゃないんだから」

カルマ「信代から、子が生まれたと伝えられた‥ジャシン、インガ、おめでとう。

よかったな」

インガ「戦ったすぐ後に『おめでとう』って‥フフ、私達らしいわね。

ありがとう」

ジャシン「カルマ‥」

カルマ「なんだ?」

ジャシン「ミライに剣法と馬術を教えたいのだが」

カルマ「ほぅ」

インガ「ああもう、やめなさいよっ。

気にしないでカルマ。

ジャシンったら教育パパでね‥英語にピアノ、そろばん、習字、日舞、ダンス‥

まだまだたくさん、習い事ばっかりさせようとしてるんだから」

ジャシン「小さいうちからの教育が大事ではないか。

これからは精霊界だけにとどまらず、人間界にも出るミライだ。

もっといろんなことを教えてだな‥」

カルマ「うんうん、わかるぞジャシン」

意気投合するジャシンとカルマ。

インガ「あーあ‥仲間が増えちゃった。

もう、これじゃ真忍も苦労しそうね」

少し頭を変え買えるインガだった。

その頃、順調にゾンビーたちを撥ね‥いや、蹴散らして

大暴れの付喪ライナーは、霊皇たちに迫るインキュバスをも‥

ドン!

見事に撥ね飛ばす。

愛理「あっ、伝助」

仁「なんか‥列車っていうより、狂気の怪獣みたいだ」

孝太「す、すごい」

信代「助かった‥」

勇護「伝助‥アレ、伝助が作ったのか?」

満優「あの子ったら、とうとう作ったのですね」

愛理「とうとう?」

満優「ええ」

伝助の夢は、全国津々浦々の付喪たちとネットワークを結び

(それを形にしたのが『付喪堂』)

そのあと、広い世界へと出るのが夢。

人間世界の付喪たちが、自由に精霊世界へ出入りできるように

空間を渡る『列車』を作りたいと満優に話していたことがあった。

満優「その列車はまた、世界へと出る夢の1歩でもあるのだと

伝助は話してくれました」

仁「へぇ‥アイツ、いろんなこと考えてんだな」

なんてホメてる伝助に、トイレ掃除1週間を言い渡されることは

まだこの時、誰も知らない。

侠真、真忍、凛雫が戦う場所に滑り込む付喪ライナー。

凛雫「伝助か!」

侠真「これか、これが引き際のチャンスだっ」

付喪ライナーの客車の扉が開き

源左衛門「侠真、凛雫! 仁たちもジャシン達も

付喪ライナーに乗れ! さっ、満優さまも真忍も!」

巨大な波のようにうねるゾンビーの群を一斉攻撃で砕きながら

霊皇、霊将、ジャシン達全員は付喪ライナーに乗り込んだ。

伝助「缶吉、封鎖弾発射!」

缶吉「はいよっ」

ボタンを押すと、城に開いた穴をふさぐ粘着弾が発射される。

伝助「これで精霊城の中には侵入出来ひん」

と、マイクを手にして

伝助「次は終点、人間世界ぃ、人間世界ぃ」

アナウンスの後、タイミングよくタイフォンを鳴らす缶吉だった。
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