彩心闘記セクトウジャ・2

□レベル8・6
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一方‥

檸檬は釜石と、桜花は織田と、それぞれ力を合わせてデスイヤーンと格闘中。

翠季「ホイピエロイド‥なんか今までとは違う‥」

ホイピエロイドの強さもそうだが、

岩石のホイピエロイドと樹木のホイピエロイドでは何かが違う。

それはなにか?

翠季はグリンザを振るいながらも考える。

伝助「ルナっ」

ルナ「はい!」

ルナはそんな翠季のガードにまわった。

翠季「ルナさん!?」

ルナ「いいんです、伝助さんからもそう言われてますから‥

それよりも、なにかわかりましたか?」

翠季は自分の行動が理解されていることを知り、心強さを感じた。

翠季「なんかこう、2体とも強いのはもちろんですけど

とくにあの岩石のホイピエロイド‥なにかが違うように感じるんです」

ルナ「違いですか‥なんだろう‥」

飛んでくる燃えた岩石弾を、羽根で防ぐルナ。

遠くで『アチチチっ』と大声の伝助。

織田と釜石はショットを撃ち続け、

その間に檸檬はイエックス、桜花はピュートでデスイヤーンに打撃を加える。

ずず「もみじ!」

飛んでホイピエロイドの足もとに滑り込み、下半身を高速で数回斬る。

伝助「お湯を沸かして、コーヒー淹れて、ちょっと飲みまへんかぁぁぁ!」

疲れているから休みたい気持ちはわかるが

デスイヤーンにお茶休憩を打診しても無理! と、わかったところで笹寿司を放つ。

相変わらず失神したままの紅だったがその横で

ピーノが紅を目覚めさせようとアレコレ思案中。

ピーノ「うーん‥ここはやっぱり定番のビリビリでしゅかねぇ?

それとも、アチチのほうが効果的でしょうか?

バシャーンもよさそうでしゅ♪」

つまり、電気ショックか熱いお湯とか火で起こすか、
水責めするかで迷っているということのよう。

イタズラ心が騒いでいるんだろうな‥。

ピーノ「でゅふふふ」

目をキラリと輝かせ『ぽふっ☆』と呪文を唱えると、

ないすティックの先端から光が飛んで現れたのは‥電気ショック装置。

医療用なのか、罰ゲーム用なのか‥わからないが、とにかく電気を発生させる装置。

ピーノ「でゅふふふふ♪さぁ紅しゃん、起きるでしゅ♪」

ソロリソロリと、ピーノは機械から伸びる+極・−極の棒状のものを手にして紅に近づく。

ピーノ「朝でしゅよー」

あわや通電しそうになったとき、ガバっと起き上がる紅。

ビックリするピーノ。

紅「ふぇ? あーーー! ピ、ピーノくん!

いま私のおっぱい触ってたでしょっっっ」

ピーノ「ええっ!? ち、違いましゅよっ。

ピ、ピ、ピーノは紅しゃんを起こそうとでしゅね‥」

まさか電気ショックを与えようとしていたとも言えず。

紅「ピーノくんがチカンしたぁぁぁ」

ピーノ「イーヤイヤイヤっ、そんなことしてましぇんって!!!」

大騒ぎの2人。

伝助「アイツら、この忙しい時になに騒いどんねん」

ルナ「なんか、チカンがどうとか」

翠季「紅ちゃんをピーノくんが?」

伝助「よりによって紅ちゃんって」

翠季「それ、問題発言になっちゃいますよ」

確かに‥紅じゃなくてもチカンはダメで。

伝助「チカン、アカンっ!」

そうそう。

チカン・性犯罪撲滅!

淑「女性のさらなる社会進出と家庭平和、主権は男女関係なくその時々の優れた側で、

真なる男女平等社会の確立をですわぁぁぁ!」

ヨッ会長!

檸檬、桜花、翠季はウンウンと頷いている。

雪永もいっしょにウンウン。

メアリー「アンタが頷くと、ややこっしくなるから」

女性のような外見の雪永だ、それはややつこしくなるが‥

雪永「今はマモーブ着てますから♪」

メアリー「あ、そうだったね」

というワケで‥檸檬、桜花、翠季、ルナ、メアリー

付喪ライナー内では餡子

なぜか魔愁・デスリグレットも‥

みんな揃って、ウンウン。

蒼唯「おいっ、いまアイツ‥ウンウンってしてたぞっ」

雪永「えっ!?」

何事もなかったように暴れるホイピエロイド。

雪永「ねぇ墨彦、あのホイピエロイドね」

墨彦「うっせぇな! いまそれどころじゃねえんだっ」

急に怒鳴られ、ビクッとなる雪永。

蒼唯「オイ、それが女の子に対する口のきき方か!?」

墨彦「なんだとっ!」

雪永「あ、あの‥僕、男なんですけど」

蒼唯「はぁ!? お前が女でなくてなんなんだっ。

お前はコロッケか? それとも木彫りの熊かっ!?」

雪永「どれとも違いますって」

メアリー「いい加減におし! 墨彦、テメェはなに怒鳴ってやがんだいっ。

蒼唯は蒼唯で、てんで何を言ってんのかわかりゃあしないし

2人とも、ゴチャゴチャ言ってる場合じゃないだろっ」

怒鳴り声にハッとなる墨彦と蒼唯‥

紅「ひーん! ピーノくんがチカンしたぁぁぁ」

ピーノ「違うんでしゅっ、ピーノはなにもしてましぇんっ」

言っても黙ってくれない、信じてくれない紅にピーノは

ピーノ「こうなったら爆発さしぇて黙らすしかないでしゅ!」

ルナ「ピーノ!」

サッと飛んでピーノの前。

ルナ「メっ!!!」

叱る天使にピーノはハッと‥

ピーノ「アレ?」

紅も急に泣き止んだ。

翠季「みんな‥そうか! 伝助さん、この空間は心に何かしらの影響を与えるようです!」

ピーノのイタズラ+ちょっとした殺意

紅のウソ

墨彦のイライラ

それが、この空間が及ぼす影響だったとしたら‥

翠季「ハートフィールドの中に突然現れた別の空間‥

でも、まるっきり別の空間じゃなくて、心の世界の1部なんだと思うんです」

デスイヤーンのパンチを笹継で防いだが、その衝撃でゴロゴロ転がる伝助。

笹継を地面に刺して転がるのを止め、

伝助「ほぅか! ここはハートフィールドの中にでけた、落とし穴みたいなもんやなっ」

翠季「落とし穴‥」

伝助「誰かが作った落とし穴‥こんなことしくさんのは、夢魔たちやろう」

翠季「私もそう思いますっ」

ルナ、ずず、檸檬と釜石、桜花と織田はデスイヤーンと戦っている。

翠季「紅さんたちに影響したあの力は‥」

伝助「この空間に渦巻いとる『悪意』やらなんやら‥ぎょーさんの悪い気ぃや」

翠季「ここは、そんな悪意や気が溜まった場所。

だからホイピエロイドは強くなってる!」

伝助「ホイピエロイドはハートフィールドでは3倍強ぉなる。

それはホイピエロイドが心そのものやからや。

心が暴走して、怪物になる。

この空間の気ぃは、その暴走をもっと進めるんやな」

翠季「もしかしたら見当違いかもしれないんだけど‥

さっき向こうで、ホイピエロイドはみんなの頷きに
いっしょにウンウンってしてましたよね‥

あれって、心が完全に壊れて無いからで
心はやっぱり心で‥暴走していても、辛いことも悲しいことも、

嬉しいことも腹が立つ事もちゃんと感じている。

でもあの岩石のホイピエロイドからはそれを感じない。

もしかしたら、ホイピエロイドの誕生の仕方がアッチとコッチで違うのかもです!」

愛・伝えまフォン-赤のコール音が鳴り、缶吉からの通信。

『伝助さん、ターミナルの監視カメラの映像を送るで!』

翠季の声を聞き、缶吉はすぐにターミナルのパソコンへと侵入。

監視カメラの録画データを伝助の愛・伝えまフォン-赤と翠季のツァイフォンへ転送する。

ジッと画面を見つめる2人。

朝日がインキュバスの手にする刺のようなものに刺されて‥

血は吹き出さず、代わりに体内から抜き取られた『なにか』

伝助「これは‥」

翠季「心‥でしょうね」

伝助「心が暴走したんが通常のホイピエロイドやったとしたら

あの岩石のホイピエロイドは」

翠季「外部的要因で無理やり生み出されたもの!」

伝助「なんちゅーことさらすんじゃ、あのボケどもがっっっ」

夢魔へ対し、激しく怒る。

すると‥突然、釜石が織田へ襲い掛かる。

織田「ど、どうした釜石!」

釜石「うるさい! お前も柳に命令されて、俺を始末しに来たんだろ!!」

織田「お前こそ俺の命を獲りに来たんだろ!」

檸檬「釜石さん!」

桜花「やめんね、2人ともっ」

桜花はそう言いながら、織田と釜石を鞭でビシバシ。

檸檬「わあぁぁぁ、桜花さんやめてっ!」

慌てて止められ、気が付く桜花‥

桜花「あれ? ウチ‥なんば しよったんやろ」

織田も釜石も正気を取り戻す。

翠季「間違いないです、長く留まると

空間に充満する悪意に飲みこまれてしまう」

伝助「まずはここを破ることからやなっ」

翠季「ええ!」

伝助「翠季ちゃん、戦心システムやっ」

翠季「はい!」

ツァイフォンを手に『装心!』

翠季のセクゾーストがパーツに変形し、身体に次々と装着。

大型装甲を身にまとった戦心 (バトル)・セクトウジャとなる。

続いて檸檬たちも装心。

翠季「檸檬さん、まずはこの空間の消滅が優先です!」

檸檬「オッケー!」

蒼唯「聞いたか、墨彦っ」

墨彦「ああっ」

装心した蒼唯と墨彦はスビナー移動でデスリグレットの攻撃をかわし

とりまく液体噴出孔などをパンチ、キックで破壊していく。

紅「よしっ!」

紅も装心。

チョット大きなレットウを手に、スビナーをフル回転させる。

ピーノ「紅しゃん!」

トテトテ走って、ピーノは紅の肩の上に飛び乗った。

ピーノ「ボクたち、落っこちてきたんでしゅから

戻るには上がらないとダメだと思うんでしゅ!」

紅「上がるっ?」

真心弓の弦を引き絞り、ピーノは上空へ矢を射る!

合わせて『ぽん☆』ビックリする爆発の魔法を光の矢にかけた。

勢いよく矢は飛んでいき、はるか上空‥ある一点に刺さってビックリな爆発。

翠季「あそこ!」

伝助「イヤぁぁぁ! あそこやなんて嫁入り前の女の子が、

そんなこと言うたらあきまへんっっ」

翠季「えっ? えっ? 私、なんにもヘンなこといってないよーーー!」

伝助「はっ! アカンアカン、おかしゅうなってた!」

ボケなのか、ホントに空間の気でおかしくなっていたかは微妙な伝助だったが

伝助「みんな、あそこを攻撃や!!」

爆炎が残る空を指さした。
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