彩心闘記セクトウジャ・3

□レベル10・6
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一方、紅と墨彦のマモーブの応急処置を任されたペンは
初めての戦闘と、これまた初めて見るマモーブの構造に少し怯んでいた。

しかし『オイがやらんば』と自分で自分を奮い立たせて

伝助から預かった工具一式を手にトンテンカンテン、作業の真っ最中。

缶吉の愛・伝えまフォンを持たされたペンは
運転室から送られる缶吉の通信でナビゲートされ

また、端末のディスプレイに設計図が映されて、万全のフォロー。

テキパキとマモーブをトンテンカンテン‥

ペン「こ、これでよかかな?」

『上出来じゃ!』缶吉の言葉にホッと胸をなでおろす。

紅「ペンギンさん、ありがとー!」

墨彦「礼はあとでゆっくり言うぜ!」

急ぎ装心、魔心へと向かう2人。

ペンは緊張感から解放されて『ふぅ』と深くため息、座り込んだ。

メフィスト「やれやれ、器用な付喪神だ。

それに‥」

エトの姿を見て

メフィスト「星の放浪者もいるとは。

ついこの前までは見かけなかったもんが‥付喪堂、おもしろいヤツらだ」

メフィストは影を濃くして消えていく。

伝助「ちょっと待ってや、ねぇっえぇぇ!」

懐かしのビッグアイドルのヒット曲風に叫びながら
笹寿司を撃ってメフィストを止めようとしたが

伝助「アカン、逃げられたもぉた」

いや‥『逃げてくれて助かったのは僕らのほうや』と伝助は思う。

総右衛門「若っ! きゃつは逃げもうしたか」

源左衛門「アイツ‥夢魔たちとは桁違いにの強さだ」

伝助「その夢魔にかて、僕らぁは ようやく追いつきはじめたってゆーのに

そんなん軽く超える相手が出てくるなんてな‥天獄って、おとろしい(恐ろしい)とこや」

ルナ、淑、メアリーはサッキュバスと
ピーノ、ずずはインキュバスと戦っており

そこへエトも加わって、目から光線を撃ちまくっていた。

伝助「それにしてもアレ‥どーいうことなんやろ?」

総右衛門「変わった特技にござりまするな」

伝助「夢魔の親玉みたいなヤツ、エトを見て

『寿司を頬張るもん』とかなんとか言うてたけど‥腹でも空いたんやろか、あの親玉?

源左衛門「いや、星の放浪‥まぁいい、細かいことは気にするな」

伝助「せやな♪」

あまり深く考えない‥これが付喪堂の強さの秘密なのだろうか‥。


桜花「神父さん!」

ピュートを振るうが、魔心は止まらない。

桜花「いかん‥こんなことじゃ神父さんば助けられん‥」

自分を救ってくれた神父を助けたい、今度は自分が救う晩だと桜花は強く想うが

強固な魔心の姿はそのまま、神父が時はなってしまった心の獣の強さに感じて
どうしようもないのかと、挫けそうになる。

スピナー移動で紅、蒼唯、檸檬が一斉攻撃。

雪永、墨彦も加わり

翠季「桜花さん! あきらめないでっ。

独りじゃない、私たちがいるから!!」

桜花「翠季ちゃん‥うん!!!」

仲間たちがいる。

桜花は心を奮い立たせ、スピナーが超高速回転!


ルナ「あなたはもう、完全体になったのでしょ!?」

淑「それにしては‥」

メアリー「弱っちぃねぇ」

息を合わせた蹴りを喰らい、サッキュバスは後退。

サッキュバス「なぜだ!? なぜこんなことに!!」

メアリー「簡単なことさ‥あたしたちが強くなったか

アンタたちが弱くなったかのどちらかさね」

淑「ええ、ただ それだけのことですわっ」

サッキュバスをハチ・タロ・ジロが叩く。

その3枚の円盤を飛び渡ってメアリーは難解回転跳び蹴り。

サッキュバス「ついこの前までは、あたしたちに敵いもしなかったくせに!」

ルナ「あなたなど私たちは恐れていない!私たちが恐れるのは、命を守りきれないこと!!」

翼を広げ飛び、剣・メサイアで夢魔を斬り着地。

ルナ「傷つくことなどいとわない、どんなに強大な壁であっても怯まない。

恐れは私自身の力で取り払う‥固く心に想いを抱く私たちに
悪魔が何をできましょう」

切っ先をサッキュバスへ向け、ルナは言い放った。

サッキュバス「なんで‥なんで!」

完全体で圧倒するはずが思うようにならない‥

サッキュバス「まさか‥まさか!」

メフィストの嘲笑が聞こえる気がした。

サッキュバス「私たちの力を吸い取って、贄の保持をしやがった‥」

天獄より悪魔たちが地上に出るためには『贄』と呼ばれる肉体が必要である。

生きている者を贄にするには

『合意(契約)の上で身体を乗っ取る』

『贄の魂を喰らい、奪う』

そして、死体を贄にする場合もある。

インキュバスとサッキュバスは、贄の魂を喰らい肉体を奪った。

ゆえに身体が馴染むまでに時間がかかる。

メフィストはリリスを研究所から連れ出すために身体が必要で
そこに放置されていた、実験体としての人間‥無残に殺されていた人の肉体を使うことで
当面の身体を得ている。

が、死した肉体は悪魔の力に耐えきれずすぐに腐敗を始める。

それを保持するためには『魔力』とでもいうべきエネルギーを肉体に補充すれば
ある程度の維持が可能となる。

そう‥メフィストは夢魔たちのエネルギーを使って、己の肉体を維持していた。

サッキュバス「あの野郎!」

怒ってはみても、パワーダウンの状況は変わらず

インキュバス「なんてこった、気が付かないうちに力を盗まれてたなんて」

ずず「へんっ、仲間内でモメてらぁ世話ねぇぜ!」

ピーノ「でゅわっ☆」

真心弓でストレートを射る。

エト「お前たち、寂しい‥憐れ、惨め、滑稽、愚か、醜い‥」

次々と浴びせ

ずず・エト「このヘナチョコトンチキ野郎!」

息の合った2人は、エトの怪光線からずずのズリへと流れるように攻撃。

インキュバス「このまま黙っちゃいられないところだが‥」

サッキュバス「力が出ないことにはどうしようもない」

夢魔たちは、一斉に衝撃破を手から放って
破裂する間に退却。

ピーノ「逃げちゃったでしゅ」

淑「今のうちに倒しておきたかった相手ではありますわね」

メアリー「仕方ないさ、なるもならぬも時の采配。

アタシたちができることは、時の流れを逃さないようしっかりと手繰り寄せることさ」

ルナ「過ぎたことを悔やむより、先に待つ機会へ努力すること‥ですね」

ずず「ポンと伏せたる壺皿の、丁と出るか半目と出るか
命賭けたる渡橋、渡ってみなきゃ真の度胸はわからねぇ」

ピーノ「勝利を掴むまで努力、努力、ひたすら努力あるのみでしゅ!!!」

エト「そういうの、キライじゃない」

『おーい、集合ぉぉぉ』伝助の声が聞こえる。

ずず「エト、オメェはペンを連れてライナーに戻ってな。

オイラは魔心を止めてくるぜっ」

エト「行ってこい」

ルナたちは走る。


魔心は身体中から砲門を展開して

ミサイル、バルカンと乱れ撃つ。

雪永「このままじゃ街に被害が出ちゃう!」

墨彦「ハートフィールドへ連れてこうぜ!」

翠季「そろそろSSDも来ると思います」

檸檬「そうなったら、ますます厄介になるよっ」

蒼唯「そうだな‥菫、頼む!」

菫「OK!」

ツァイフォンを操作し、ハートフィールドへの扉を開く。

伝助「珍平、餡子、缶吉、ごん、ねん

桔梗たちのサポートよろしゅう!!!」

言いながら伝助たちは魔心へ突進。

彩心たちとともに魔心を押してハートフィールドへ入っていく。

俊充「ハートフィールドへ行くのか」

桔梗「よそ見している場合ではないぞ」

牡丹「まだゾンビーたちがいるからねっ」

桔梗「翠季が言っていたように、SSDの奴らも来そうだ。

その前に片づけるぞ!」

治夫「織田、ショットにコレを貼るとさらに威力が増すぞ」

付喪ショットへ治夫は、増幅機能の肉球シールを貼っている。

俊充「なるほど、コイツはブースターになるんだったな!」

俊充も肉球シールをショットに貼って、迫るゾンビーたちを掃射。

珍平「どすこーい」

ハンマー・めんたいこを持って四股を踏む。

餡子「メッタメッタのギッタギタにサ、してやっからの!!!」

医療器具のメス型薙刀・なまはげをブンブン振り回し突撃。

君兵衛「おいおい、そがい後先考えんと突っ込んだらイカンちや!」

大剣・播磨屋橋を手に餡子をサポート。

ごん「ぶっひぶひぶひ」

ねん「うんもんもんもっ」

スキップする貯金箱は、トンファー・トンカツと金棒・ビーフストロガノフを手に
ゾンビーたちを蹴散らした。

ペン「スゴかぁ」

エト「私たちも、ああなる」

ペン「へ?」

エト「私、オマエ、次はあそこの中に入ってる」

ペン「そうか‥そうやったばい」

これが付喪堂‥ペンはさきほど任されたマモーブの修復、それに珍平たちの戦う姿を見て
付喪堂に自分も入ったのだと改めて思い、気を引き締めた。


ハートフィールド

『でぃやあぁぁぁ!』

蒼唯と墨彦の蹴りを中心に、メアリーのキック、源左衛門のパンチ

雪永と翠季の風魔法、ピーノの爆発魔法

紅のレットウ、伝助の笹継、ルナのメサイア、ずずの鉄串丸・シェラスコの突き

桜花は魔法でミノタウロスを召還

檸檬の張り手、総右衛門と淑の突進

全員の力で魔心をハートフィールドへと叩きつけた。

しかしホバーで体勢を整え、デスティアーは砲撃を開始。

対し、彩心はスピナー移動で砲撃を潜り抜け
次々に攻撃を加えていく。

墨彦「せいっ!」

パンチを放ち

雪永「えいっ」

ホワイスを振り下ろして1撃。

翠季「たあぁぁ!」

長剣・グリンザで突く翠季に

檸檬「どすこーい!」

強烈に叩き込まれるイエックス。

デスティアーは吠え、口を開けると火炎放射。

蒼唯「ニハーイィ・サルグ・アズラク!」

最大強化呪文を加えた冷凍魔法は炎をも凍らせて

蒼唯「ニハーイィ・ラハブ・アフマル!」

最大炎魔法がその氷を割ってデスティアーを攻撃する。

菫「魔心‥止めなきゃ!」

1度、菫は魔心のコアにされた。

だからこそ誰よりも魔心の怖さを知っている。

止めなくてはいけない‥人々守るために、心を守るために。

紅「勇者☆本気斬りぃぃぃ!」

『ふんわり』とは比べ物にならないほどの力を込めてレットウを振り下ろす。

紅「心を魔心のままなんかにさせないんだから!」

続けて横一文字の斬撃。

桜花「カビール・イステドアァ・アズハル…おいで、一角獣・ユニコーン!」

現れる一本角の馬はユニコーン。

ピュートの柄、笛を吹いてミノタウロスとユニコーンを操り
桜花は魔心へ挑む!

ミノタウロスのパンチ、ユニコーンの角攻撃。

桜花はさらにピュートで追撃、鞭の乱打がデステイァーを止める。

『ウオォォォン』

魔心化に伴って、4足歩行に変わっていたデスティアーだが
足が下り曲がってロケットエンジン状態へ変化。

すると足裏から大量の死心力が放出されて、魔心は猛スピードで彩心たちを襲う。

スピナーを使ってかろうじて避けはしたが

通り過ぎる負圧だけでダメージを負ってしまう速度。

檸檬「なんてスピードなんだろう‥」

雪永「なのにあの巨体って」

翠季「魔心を停止させるには、ナグマノンしかありません‥けど」

菫「どうやってあの速度を止めるのか‥だね」

2丁拳銃を撃ってはみるが当たることなく

墨彦「来るぞ!」

スピナー移動で散開、魔心の攻撃を避けるしかない。

が、魔心の背中から機関砲がせり出し
セクトウジャたちへ放たれる。

スピナーで高速移動はしているものの、避けているだけでは何も止められない。
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