旧 霊皇戦隊セイレンジャー 1

□短編・バレンタイン編
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「霊皇戦隊セイレンジャー」

「チョコか‥ありがとう…」

回想

アメリカ西部・どこかの州


吹きすさぶ風、照りつける太陽。

風にあおられて、回転草とも呼ばれる植物群の、タンブル・ウィードが転がり、

倒れたままの、馬車の車輪もクルクルと回っていた。

荒野の赤茶けた大地を踏みしめ、歩く小さな影。

この土地で唯一の薄汚いバーへと向かう。

チョンっと、左右に開く扉の、左下あたりを軽く押した。

ギッギギーと、軋んだ音を立てて開く。

客が来たと『いらっしゃい』と、バーテンはグラスを拭きながら無愛想に言った。

(注・本来、外国なので違う言語なのですが、あらかじめ訳してお送りいたしております)

影はカウンターの席に座り、

影「バーボン」

一言‥。

バーテン「はいよ」

客に背を向けたまま、ぶっきらぼうに返事をすると、グラスにバーボンを注ぎ、
声がした方へそのグラスを滑らせる。

勢いよくカウンターを滑ってゆくグラス‥受け取り、グイッとあおる。

影「‥まずい酒だ‥ここへ置く」

代金を置き、歩き出す。

バーテン「ケッ」

代金を取ろうと振り向くバーテン。

バーテン「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇー!!」

その客は、可愛らしくデフォルメされたウサギのぬいぐるみだった。


イタリア・どこかの街

(注・本来、外国なので違う言語なのですが、あらかじめ、やっぱり訳してお送りいたしております)

走ってくる人影。手には銃を持っており、ずいぶんと焦っている様子。

追われているのだろうか?

まだ、若い男だ。

若い男「くそっ、もう来やがった!」

男のあとを追いかけて、数人の男たちが走っていた。

男達は銃を取り出し、一斉に発砲‥無数の弾丸が体を貫き、若い男は絶命した。

男・1「ケッ、手間取らせやがって」

死んでいる男を蹴った。

男・2「ん?あ、兄貴!こいつ顔が違うっ!!」

男・3「何ぃ!顔が違うって、どういうこった!!」

この男たちはイタリアで、名の通ったマフィアの一味。

縄張り争いから相手側の雇った殺し屋が、ボスを狙って襲ってくるとの情報を掴んで
待ち構えていた。

しかし、一家に無断で敵対するボスを始末し、名を上げようと目論んだ若い男を
殺し屋と間違えて、ここまで追いかけてしまったらしい。

慌ててボスの屋敷へと引き返す男達。

そんな男達を見詰める影が三つ‥美しい女性、パンダ、犬‥。

影は瞬間、姿を消した。
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