彩心闘記セクトウジャ・2

□レベル6・3
2ページ/5ページ

『ジャスティリアル粒子放出、ツバキ! 長くはダメよ』

椿「わかってるって!」

『ジャスティリアル』ヴァーミリオンが使用する武装[明王システム]は

最新鋭の科学が生み出した[ justice ]という戦闘システムにより構成されている。

ジャスティスはスーパー液体金属のジャスティリアルを使い、
戦況に応じて様々な武装を作りだし、データを取って強化されていく。

その液体金属を粒子状にして大量に放出することで、一時的な防御壁となる。

椿「こんにゃろ!」

ウスサマーは速度を上げてジャンプ。

ブラック「飛べば逃げ場がなくなる‥素人が!」

ウスサマーを追う機銃。

椿は電磁鞭のアムリタクンダリンを振って、SSDマシンを攻撃。

椿「アンタはちょっと黙ってな!」

高圧電流がSSDマシンの計器に一瞬の狂いを生じさせた。

ブラック「クッ‥だが!」

手動に切り替え、射撃。

続く他のマシンの攻撃も避けながら、

ヴァーミリオンは銃・トライローキャヴィジャヤの引き金を引く。

椿「ひとーつ!」

ブラックのSSDマシンは、動力部を損傷で中破。

ブラック「俺はマシンを降りての戦闘に移る。各機は現状維持!」

キャノピーを上げて、ブラックはSSDショットを構える。

椿「待ってな!」

ブラックへ1撃加えて、迫るSSDマシンに向かっていく。

ブラック「まさか俺が最初に撃墜されるとは‥」

冷静なようで‥内心は悔しさと怒りにあふれていた。

レッド「敵機、迎撃に向かいます!」

ブラック「‥‥‥」

レッド「隊長!」

ブラック「グリーンとピンク、ブルーとイエローに分かれて攻撃」

『了解!』

レッド「隊長、なんで俺は!?」

ブラック「レッド‥レッドは各機のサポートに回れ。

ヴァーミリオンを追いこみ、地上から俺がトドメを差す!」

レッド「なんでだよ!!」

通信機の向こうで激昂するレッドをそのままにして、ブラックはバズーカ砲に
火器強化ユニット『SSD-O』を取り付けて狙いを絞る。

椿「うおぉぉぉぉぉぉ!」

ピンク「消えろ!」

駆けぬけるウスサマーを追って、機銃の弾丸は走る。

ヴァーミリオンはトライローキャヴィジャヤを構えるが

グリーン「早く片付けて帰りたいんでね」

02・グリーンの機体がウスサマーのすぐ横まで急接近!

椿「そうはイカの‥」

『そっからサキは言っちゃダメ!』

椿「へーい」

悪戯っぽく、イチゴへ返事をしながらヴァーミリオンはSSDマシンを避ける。

返答とは裏腹な緊張状態‥刹那で激突を免れて。

イエロー「このマシンよりも、ヤツのマシンが機動性が高いとは」

ウスサマーを襲うバルカン。

急ブレーキ、『ジャックナイフ』と呼ばれる逆ウィリー状態で攻撃を回避。

そこからすぐさまターン。

トルーパーズ車両のボンネットに飛び乗って、そのままジャンプ!

ビルの壁を走って着地。

ウスサマーを追い、陸上走行形態から飛行形態へ変形‥

ブルーの機体はヴァーミリオンを襲う。

上空へ向かって銃を連射するヴァーミリオン。

ブルー「SSDマシン6機相手に、ここまで戦うとは!」

機銃を発射。

メアリー「たった1人相手に、ちったぁ恥ってもんを覚えたらどーだい!」

割って入る付喪ライド06!

ブルーの機体は大きく旋回。

ずず「待て待て! まちゃあがれっっっ」

疾走する付喪ライド08。

グリーン、ピンクの機体がずずへ攻撃を開始する。

ブラック「レッド、破壊脅威4号のマシンを迎撃‥いいな!」

レッド「‥‥はい‥」

不服アリは見え見えな応答‥が、機体はメアリーへと向かう。

ブラックはじっと待っていた狙いへ向けてバズーカを撃つ。

椿「チッ!」

ヒュンと避けると、前方のビルが破壊される。

崩れ始めるビル‥

椿「コイツらぁぁぁ!」

目的のためなら手段は選ばない‥そんなソルジャーズの攻撃に

怒りを露わにするヴァーミリオンだった。

墨彦「赤鬼!」

ウスサマーに合わせて走る墨彦。

椿「誰が赤鬼だっつーの!」

墨彦「いいから俺を乗せろ!」

瓦礫を踏み台にして、ウスサマーに飛び乗った。

椿「無茶するねー♪」

墨彦「あのマシンの傍に近づけるか!?」

椿「今まで何見てたのさ! ちょろいもんよっ」

墨彦「なら!」

椿「仕方ないね!」

ウスサマーは反転。

エンジンは轟きながら、追ってくるSSDマシンに突進を始めた。

墨彦「特訓の成果、見せてやるぜ!」

椿「いーねぇ、スポ根物みたい♪」

墨彦の拳に生心力が集まる。

椿「技の名前は!?」

墨彦「ブラックダイヤモンド!!!」

鋭く突きだすパンチの圧と生心力が、空を斬り裂いて機体を撃破!

ピンク「きゃあ!」

大きくスピンして、建物に激突して停まる。

椿「ふたーつ!! キミ、やるじゃないっ」

墨彦「へへん、どんなもんよっ」

ブルー「くっ!」

椿「イチゴ、ヴァジュラヤクシャを出すよ!」

『vajrayakṣa (ヴァジュラヤクシャ) 』

金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)』の名を冠した
ヴァーミリオンの最大武装。

2門の砲身=レールから、球体化した液体金属・ジャスティリアルを撃つ
電磁加速砲(でんじかそくほう)・レールガン-ユニットである。

『周りにヒガイのナイヨウ、気ヲつけるのよっ』

椿「ほいな!」

ヴァーミリオンはウスサマーを止めて、空を飛ぶブルーの機体を見た。

手元に高エネルギー体が現れるのを感知される。

イエロー「ブルー、回避しろ!」

その声に素早く反応するブルー。

椿「遅いわよ! みっつ!!!」

現れるレールガン・ヴァジュラヤクシャ。

椿「ジャスティリアル装填、発射エネルギーチャージ‥」

砲身の発射センサーが点滅から点灯したままに変わる。

椿「シュート!」

眩い光と強烈な衝撃、宙に光りの軌道を描きながら進む弾丸。

グリーン「やれやれ、まさに鬼の1撃‥だね♪」

ミサイルを撃って、レールガンの弾と相殺‥

椿「このアンポンタン! そんなもんくらいじゃ、防げないっての!!」

ミサイルを軽く粉砕して、ブルーの機体を撃ち抜く。

黒煙と炎を吐きながら、ブルーの機体は落下不時着。

イエロー「大丈夫か! ブルー!」

グリーン「あーあ、残るは僕とレッドとイエローか‥全滅はマズイねぇ」

さらにレールガンを構えるヴァミリオン。

椿「次、よっつめ‥黄色いの もーらいっ」

引き金に手をかけたが、撃たせまいとブラックがバズーカを撃つ。

直撃させず、爆風でヴァーミリオンの体勢を崩す。

墨彦「アイツ!」

とっさにヴァーミリオンを助け、墨彦はブラックの姿を見た。

走る墨彦。

ブラックは、突進してくる破壊脅威に狙いを絞り

バズーカの砲身を向けた‥スコープを覗いて、ロックオン。

一瞬‥ブラックから『動揺』が垣間見えた。

次の瞬間、墨彦はすでにブラックへ到達していて

自身の間合いでミドルキック!

バズーカを放ってガード。

身体を回して背面エルボーを撃ち込むブラック。

そのエルボーを左ひじで叩き落として、墨彦はオーバーヘッドキック。

メットの額部分に直撃するキックに、たまらず後退してひざをついてしまう。

ブラック「うぅぅ‥」

墨彦「まだ終わってねぇぞ!」

片足に体重を乗せ、放つソバット。

蹴り足をブラックは掴んで、そのまま足首を固めた。

痛烈な痛みが足から脳天まで走り抜け、墨彦は気を失いそうになる。

墨彦「ぐあ!」

なんとかブラックの肩口を蹴り、固め技から逃れた。

少し痛みが続く足を引きずって、ファイティングボース。

ブラック「アレをすぐに抜けるとは‥たいしたものだ‥」

後に続ける言葉を見込む。

墨彦「あ? なんだ、何かまだ言いたいことがあんのか!?」

ダッシュ‥避けるブラックのメット スレスレにパンチが飛び

墨彦「甘いんだよ!」

そのまま右エルボーを叩きこむ。ブラックは手で肘を防ぎ

ふたたび極めようとするが、墨彦も察知して振りほどき

膝蹴りから間合いを取って、左ハイキック、左ミドルキック、足払いの水面蹴りと
連続攻撃。

すべてを防ぎきるブラック。

ブラック「もう終わりか? 墨彦」

墨彦「なんだと? んなこたねえぜ!!」

パンチを高速で連打する。


『墨彦、さぁ来い!』

『うんっ』

幼い墨彦は、両手を出して墨彦のパンチを受ける兄に向って
一所懸命に手を動かしていた。

『おーい、鉄志、墨彦』手を振り、かえってくる父の姿。

傍らには母がいる。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ