旧 霊皇戦隊セイレンジャー 2

□第11話・2
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久涙で防ぐ凛雫‥背後から命在の爪が襲う!

『ちぇすとぉぉぉ』笹葉魂撃守國景が、凛雫へ迫る爪を防いだ。

凛雫「伝助、来てくれたか」

伝助「お待っとさん!」

凛雫「命在を頼む」

伝助「ほいなっ!! コイツは根性ひねくり曲がった銀色猫やさかい、
叩きなおしてやらなアカンでなっ」

ルナ「羽根よ、守りなさい」

ルナは伝えまフォン・桃から祈願天使翼を展開して、凛雫を守らせた。

ルナ「凛雫さん、満優さんや侠真さんがいらっしゃるまで無理はしないでくださいね」

凛雫「その言葉、ありがたく受け取っておく」

しかし‥無理をしなければ、真忍を助け出すことは叶わない‥そう凛雫は感じている。

凛雫「羽根の加護、使わせてもらう!」

凛雫の周りを飛ぶ6枚の羽根‥凛雫は跳ねて、久涙を振り下ろす。

紊乱で迎え撃つ魔恐‥赤い羽根・イグニスと青い羽根・ヴァダーが、その鞭を防いだ。

凛雫は宙で残りの羽根に足をかけて移動した。

魔恐「なに!?」

ルナ「そういう使い方が‥ルーチェ、オプスキュリテ!」

白い羽根と黒い羽根が凛雫の足下へ滑り込む。

凛雫「ルナ!」

意を理解したルナに笑顔を見せて、凛雫はさらに闘志を燃やす。

ルナ「トゥルパ、アネモス!」

緑の羽根も黄の羽根も、続いて凛雫の足下へ。

魔恐「ええい!!」

紊乱を次々と振るって攻撃を仕掛けるが、

凛雫は羽根を足場に宙を歩き、あるいは跳ねて攻撃をかわす。

ルナ「イグニス、ヴァダー!」

赤い羽根と青い羽根も足場に加わり

ルナ「撃ちなさい!」

6枚の羽根が光線を放つ!

光線が魔恐を撃ち、たまらず両手で身を覆う魔恐。

命在「魔恐様!!」

飛び込もうとするものの

伝助「銀色猫、お前の面倒は僕がみたる!

猫まっしぐらのモンプチは、ありまへんけどぉぉぉ」

伝助は突進から素早い斬りこみ、かわす命在へ刀を薙いで追撃!

命在「くっ」

さらに身体をクルクルっと捻って、左、右、左と矢継ぎ早に払う。

伝助「銀色猫っ、源左衛門のこと なんでわかってやらへんねんっ」

命在「何をわかれっていうんだい! 四の五の言わずに戦いな、この熊猫っ」

伝助「かっちーん!! そーかぁ、そんなら やってやろうやないけぇぇぇ」

伝助は、源左衛門の想いを伝えようとするも うまくいかず
カチンと激怒で、命在に対した。


源左衛門「ん? 伝助‥俺が行くまで頼むぞ」

若干 ブチ切れている伝助を信頼し、カルマとの戦いに集中する源左衛門。

カルマ「真の敵がお前には見えるか? 源左衛門っ」

源左衛門「真の敵だと?」

跳ねる源左衛門は蹴りを3発、突きを5発、続けて人参刀で斬りかかった。

カルマは残哀で押し止め、そのまま力を入れて校舎へと源左衛門を投げつけた。

源左衛門「くっ!」

迫る壁を軽やかに蹴って宙を舞い、急転直下でカルマにキック!

堪えたカルマは、左拳で殴りつけた。

拳に乗るようにして、攻撃を避ける源左衛門。

パンチを振りぬいたカルマは、

そのまま身体を1回転させて剣を源左衛門の首へと走らせる。

背後に迫る刃を感じ、源左衛門は瞬時に伏せ、すぐさま跳ねるとオーバーヘッドキック!

とっさに左手でガードするカルマだが、たまらず後ろによろけてしまった。

カルマ「いいぞ‥また強くなっている」

源左衛門「真の敵が見えているかと、俺に問うか‥

眼前の敵は敵にあらず、真なる敵は隠れて邪な心を抱くもの‥そんなところだろう」

カルマは不敵な笑みを浮かべた。

カルマ「それでこそ、心置きなく戦えるといもの!」

残哀を構えて気合を入れるカルマだったが、大きな爆発音がしたかと思うと、
紊乱が激しく回って、強固な薔薇の蕾が現れていた。

カルマ「あれは、魔恐様の‥」

ルナと凛雫が、巨大な薔薇の蕾に対峙している。

凛雫「くっ、やっかいな!」

ルナ「この蕾‥凛雫さん、一点集中で撃破します!」

以前 蕾を倒したときの事を思い出し、叫ぶルナの言葉の意味をすぐに悟った凛雫は

凛雫「我が想いを込めて、蕾に穴を穿つ!!」

ルナ「羽根よ舞え、狂いし花を散らすために」

6枚の羽根は翔けぬけて、光線を撃っていく。

その後に続く凛雫は、久涙から手裏剣を無数に飛ばして
切っ先に力を込めて、蕾へと突きたてた。

魔恐「その程度では破れぬ!」

凛雫「ぐっ‥なんと強固な」

弾き返される久涙。

『あきらめるでないっ! いかな強固なものとて、破れぬものなどありはしませぬぞっ』

言葉の後に発する大きな射撃音。

ボムボーンを撃ちながら、総右衛門が走ってきた。

蕾から触手のように蔓が飛び出て、凛雫を襲うが

淑「タロ、ジロ、でぃふえんすゴー!」

2枚の円盤が凛雫を守り、その前に6色に輝く羽根が並んで、次々と光線を放っていく。

ルナ、凛雫のそばへと駆け寄る総右衛門と淑。

総右衛門「凛雫殿、遅くなりもうしたっ」

凛雫「総右衛門っ」

ルナ「会長」

淑「ルナさん、お待たせしましたわね。

精霊・主婦の会のパワーを見せ付けてやりましょう!!」

ルナ「はいっ!」

命在と戦う伝助は、総右衛門と淑の姿を見て安堵する。

伝助「あっちはこれで安心や」

命在「犬っころ2匹が駆けつけたところで、魔恐様のお力にかなうものか!」

伝助「ちゃうわっ! 総右衛門も よっちゃんも、心にアチチな魂持っとる戦士やっ」

迫る爪をかわして、笹葉の柄で命在の腹部を一撃。

命在「ぐぇ!」

崩れ落ちる命在。

伝助「心ん中が空っぽのお前はわからへんやろうな。

そこで、源左衛門が来るまで おとなしゅう待っとれっ」

『‥命在の身体から 力がごっつ、のぉなっとる』

このままでは命に関わるだろう‥伝助はそれを危惧していた。

できることなら命在をもとの ぬいぐるみへと戻して、日のあたる場所で暮らさせたい。

それが源左衛門の望みでもあるし‥だが‥。

苦しくて身動きが出来ないのを見届けると、

伝助「ちょびっとだけでも おとなしゅうしとけや。

でないと、身体が長ぉもたへんど」

そう言い残してルナのもとへ走る伝助。

命在「なってこったい、凛雫も熊猫も‥

敵に気遣われちゃあ、あたしも いよいよお終いだね‥ハハ‥アハハハ‥」

カルマの突きを、身体を反らして避ける源左衛門。

そのまま白刃取りの体勢から全身のばね(綿)を使って捻ると、カルマを投げ飛ばす。

強かに身体を大地に打ちつけ、

カルマ「ぐぅぅ」

振り返る源左衛門‥向こうに、フラフラと立ち上がる命在を見た。

源左衛門「そのまま寝ていればいいものを」

イラつく心を抑えるように、源左衛門は大きく息を吸い、フッと勢いよく吐いた。

源左衛門「カルマ‥この戦い、しばし預ける。

俺には、やらねばならぬことがあるっ」

カルマは膝をつきながら

カルマ「やらねばならぬことか‥フフ、敵に伺いを立てることも無かろう。

俺の腕は今、痺れてしまって剣が取れん‥お前が何処に行こうとも、追う術もない」

剣の柄を持つ手を開き、落とすカルマ。

源左衛門「カルマ‥」

心の中で礼をいい、源左衛門は命在のもとへと走った。

カルマ「源左衛門、あの猫をお前の手で救ってやれ。

孤独の中で もがき続ける猫を救えるのはお前しかおらぬ‥孤独を知るお前にこそ」

落とした残哀を手にして、立ち上がるカルマ。

カルマ「ん!?」

気配を察知して身構える。

次の瞬間、激しいスパークを巻き起こして 宙よりツクモ神・虚玩が現れた。

その後ろにインガの姿も。

カルマ「インガっ」

インガ「何グズグズしてんだい、カルマ!

おもちゃ風情の始末に いつまでも手間取ってんじゃないよっ!」

怒淋を抜いて怒気をたぎらす。

カルマ「どうしてここに現れた‥ツクモ神までも」

インガ「ハンっ、ツクモ神の想い主が ここにいるんでねぇ。

気になって様子を見に来たんだろうさ」

狂気の蕾は笹葉や羽根と激しくぶつかり、
校舎を破壊して校庭へとなだれ込む魔恐と
後を追う伝助たち。
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