Novel(short)

□美しい名前
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白い病室で深く眠っている君



美しい名前



信じた永遠が壊れるのは一瞬だった。
とても優しい君はなりたかった本物の為にその身を凶弾の前に差し出した。
命は取り留めたものの、君は目を覚まさない。

体中に管を沢山付けて深い眠りに就いている。
あんなにも元気に動き回っていた君が今はよく出来た人形のようだ。


今までどんな思いで過ごしていたんだろう。


自分自身さえ見失いそうな環境で。


いつだって不安だったはずなのに、思いを隠したまま笑っていて。


君の優しさに甘えてばかりで、君の辛さから知らない振りをしていた。



これは俺への罰だ。



俺にとっての世界は君と二人で生きて行くことなんだ。


何度だって呼ぶよ。


君のその名前を


だから目を覚まししてくれ。


今頃気づいたんだ。


君のその名前が


とても美しいということ
 

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