02/01の日記
21:45
勝負の行方
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テニスの王子様 嫌われ未満 主人公は○○娘 悪女ドンマイ
屋上で2人の少女が相対していた。
一人はクルクルに巻いた茶髪のツインテールに厚(ゲフンッ)・・・少々化粧の濃い女子。
もう一人は艶やかな黒髪のショートヘアーの誰もが愛らしいと見惚れるような美少女。
呼び出したのは茶髪の女子であり、黒髪の女子は昼休みが始まった途端、引き摺られるようにして屋上に連れて来られた。
すぐさま茶髪の少女は顔を醜く歪めながら、俯いている黒髪の少女に向かって罵倒しだした。
「気に入らない!気に入らない!気に入らないわ!!何だってあんたみたいなブスが華を差し置いてチヤホヤされるのよ!!愛されるのは華なの!尊敬されるのも!羨まれるのも!みーんっな華なのよ!!あんたじゃないわ!!」
『・・・・・・。』
俯いたまま黙っている目の前の少女を華は最上級の憎しみを込めて睨みつけた。
転校して来た当初から気に入らなかった。
誰もが見惚れるようなとびっきりの笑みで、とびっきりの甘く美しい声で自己紹介したにもかかわらず、クラスメイト達の反応はいまいちだった。
それどころか目の前のこの女のことばかり見つめていた。
それよりも更に許せなかったのは華が一番欲しかったテニス部レギュラーに囲まれていたことだ。
隣の席の本命であるテニス部部長だけでなく、他のクラスや学年の違うレギュラーも皆この女の周りを囲んで笑っていた。
自分が話しかけても嫌な顔しかせず、挙句の果てに邪魔だとまで言った。
もう許せなかった。
「華の為に嫌われなさい!!<バチンッ>キャァァァァアァアアァァァァ!!!!」
これで勝ったと華が思った瞬間
『チクショォオォォォ!!また負けた!!』
目の前の少女から澄んではいるものの、どう考えても少女のものではない低い声が発せられた。
「・・・え?」
『またか!またなのか!?何で気づかねぇんだよコノヤロー!!』
orzのポーズ座り込んだ後、頭を抱えて転がりながら悔しがる女生徒。
その激しい動きにスカートは捲くれ上がり、中身が丸見えの状態になっている。
スラッとした眩いまでに白く長い足
そして
「ド根性」とプリントされたド派手なトランクス
それを見た華の頭は真っ白になった。
更に
「ハァーッハッハッハッハ!!どうやら今回も賭けは俺様達の勝ちのようだな。」
「相変わらずエエ足やなぁ。」
「いい加減諦めろって!」
「ったく、そんな悔しがんなよ。激ダサだぜ。」
「やったC−!!」
「先輩、ご愁傷様です。」
「・・・元気、出してください。」
「ハァー・・・。」
華の最大のターゲットであるテニス部レギュラー陣がいつの間にか勢揃いしていた。
本来の計画なら泣き付く寸法だったが、あまりに予想外の出来事に華の思考回路は凍りついたままだった。
そこで少女はやっと転がるのを止めて起き上がった。
そして華の前までやってくると、自分の学生証をズイッと差し出した。
『・・・はじめまして、氷帝学園3年A組 叶野由(カノウ ユイ)です。ち・な・み・に・生まれてからずっっっとXY染色型の男だから!!そこのとこ、よろしく!!』
そう言って胸を張る姿はどう見ても美少女だが、目の前の学生証の性別の欄は男を示していて・・・・・・
「え?は?え、えええぇぇぇぇええ!?嘘ぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
華の心からの驚きの声が昼休み終了のチャイムと共に学園中に響き渡った。
噂の彼女は男の娘!
end?
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☆コメント☆
[七子] 02-11 20:41 削除
これ面白すぎます!
まさか主人公が男の娘だったなんてっ!!
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