03/26の日記
20:55
恋獄に堕ちる
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狂愛少女IF 復活 戯言復讐 相手:六道骸 BADEND ネタからサルベージ
騒がしい空港のロビー内で一際目立つ少女がいた。
彼女は長く艶やかな黒髪を靡かせ、綺麗に整った顔に柔らかい笑みを浮かべながら、これから会える大事な人達のことを考えていた。
彼女にとって彼らは大事な友人であり、彼女らは可愛い親友であり、彼は唯一の親類であり、彼は愛する恋人だった。
離れている間はとても不安で寂しかったが、彼らからの手紙やメール、贈り物や国際電話は彼女の支えとなった。
そして、やっとすべきことを全て終えて帰ってくる事が出来た。
驚かせる為に態と連絡を入れずに帰ってきたが、きっと彼らは満面の笑みで迎えてくれるだろう。
彼女はそんな幸せな未来を信じていた。
だが
『何、これ・・・?』
待っていたのは絶望と言う名の地獄だった。
『嘘・・・・・・嘘嘘嘘!!イヤァァァァァァ!!』
彼女は破壊しつくされ、夥しい死体が道を埋め尽くす町内を駆けずり回った。
皆で集まった友人である彼の家も
皆で宴会をした友人である彼の父親の店も
女子会で泊まった彼女の家も
ドキドキしながら訪ねた彼の住処も
全てを見て回った。
しかし、そこにあったのは死体となった彼らの親と居候達だけだった。
吐き気を抑えて、すぐさまボンゴレに連絡を取ろうにも全く繋がらない。
彼女は全力である場所に向かっていた。
きっと皆そこにいるのだと、そこに生きているのだと信じて
彼女は限界を訴える体を叱咤し、息も切れ切れに辿り着いた並盛中学の校門に手をついた。
そして震える体でゆっくりと校門を潜った時、その切れ長の薄茶色の目を大きく見開いた。
彼女にとって思い出深かった学校は見るも無残な物に成り果てていた。
抉り取られたような屋上
真っ赤に染まった窓
地面にめり込んでいる机
大きな罅の入った壁
段々と大きくなっていく嫌な予感に急かされるように彼女は校庭に向かった。
そこで目にしたモノは・・・・・・
『ぁ・・・ぅあっ・・・あ、あああああああああ!!!!!!』
彼女の世界の終わりだった。
両手にテーピングを巻いている頭部がぐちゃぐちゃに潰れた死体
バットを持ったまま頭部と胴体が切断された死体
周囲に導火線の切れたダイナマイトが散乱した全身がバラバラの死体
両手に毛糸の手袋をつけた胴体に大穴が開いている死体
巨大なクレーターの中央に黒い帽子の浮かんだ血溜まり
『了、平せんぱっ・・・たけ、し・・・は、やと・・・つな・・・リボー、ン・・・っう、ぁ・・・・・・。』
全身を震わせながら恐る恐る周囲を見渡した時、ソレらが目に入った。
砕かれたトンファーを持つ黒い学ランを羽織った下半身の無い死体
真っ二つに折れた槍を持つ全身をズタズタに切り裂かれた上、顔面にたくさんのナイフが刺された死体
『嘘!っ恭兄さん!骸ぉ!!・・・嫌、嫌よ・・・嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌イヤアァァァァァァァァァァァアアアァァァァァァアァァァァ!!!!!』
彼女はその場に座り込み従姉弟と恋人だったモノにしがみ付いて泣き出した。
希望に満ちた美しい薄茶色の瞳は絶望に彩られ、艶やかな黒髪は血と埃で汚れている。
そんなことも気にせず、彼女は目の縁が真っ赤に腫れ上がるまで泣き続けた。
透き通った声は擦れるまで泣いて泣いて泣きつくした彼女はピタリと全ての動作を止めた。
顔を上げてゆらりと立ち上がり
そして
「・・・絶対に許さない。」
虚ろで透明な狂気に満ちた笑みを浮かべた。
その微笑は怖ましい程に美しく、異常なまでに蟲惑的だった。
end
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