Short Novel

□ナクシタモノ
1ページ/2ページ






何よりも誰よりも大切だった



でも・・・・・・



でも、もう二度と・・・・・・







ナクシタモノ







オイラ、何も分かってなかった




「ハオ?」




あんなに愛していたのに


あんなに愛されていたのに




「なぁ、寝てんのか?」




ハオだけがオイラを受け入れてくれたのに


ハオだけがオイラに全部許してくれたのに




「なぁ、起きろよ。」




麻倉だって、仲間だって許してくれなかった


ハオは敵だと、殺すべきだと許してくれなかった




「起きろってば。」




怖かったんだ、居場所をなくすのが


また鬼だと恐れられるのが


お前なんかいらないって言われるのが




「・・・・・・起きろよ。」




でも殺したくなんかなかった


一緒にいたかった



でも



仲間や家族を裏切るなんて出来なかった



ああ、でも




「・・・っ頼むから!起きろよっ!」




お前を殺してしまうつもりなんかなかった


お前に殺されるつもりだったのに




「何でなんよっ!!何でっ!!」




お前は笑って最後の攻撃を受け止めた


オイラが大好きな綺麗なハオの笑顔



_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ