novel2(BL book)

□約束
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ちゅんちゅんと窓の外で鳴く雀の声で目覚め・・・雀?外?

オレはがばりと布団を捲り、自分の下半身に目をやる。
そこにはちゅんちゅんではなく、ちゅぱちゅぱと下品な音を立て美味そうにオレのものをしゃぶる飛段の姿。

「・・・何やってるんだ、お前?」

「あ、角都やっと起きたァ?・・・宿出る前にさ、もっかいしよーぜェ・・・」

「昨夜風呂で沢山してやっただろう」

「昨日の分は昨日の分!今日はまだしてねーじゃん。布団でもしてねーし。なァ・・、ここでしてーんだよ。ここ、角都の好きな場所なんだろ?この場所で繋がりてーんだよォ・・・」

潤んだ瞳で上目遣いにオレを見つめる。

「本当に、お前の淫乱ぶりには呆れる・・・」

「あァ?何言ってんだよ。角都も好きなくせにィ!」

ゲハゲハと悪戯に笑う飛段がふっと真顔に戻る。

「・・・それに、次にいつここへ来れるか分かんねーじゃん。どんなに古ぼけた宿でもさ、角都の好きな場所はオレにとっても大事な場所なんだぜ。だから、ここにいられる内に何度でも、繋がっていたいんだ」

な、と今度は照れてはにかむ。
全く。
忍のくせにそんなにころころ表情を変えてどうする。
呆れたふりして、でも心は温かく。
オレは本当にコイツに甘いな。

「ほら、こっちへ来い」

「へへッ!やーっぱ角都も好きなんじゃん」

嬉しそうに抱きついてキスをねだってくる。
その憎たらしくも柔らかな唇に軽く噛み付いて、次の大晦日もまた、必ず飛段をこの宿へ連れて来ようと心に誓った。




・・・赤まむしを持って。


090102

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