novel2(BL book)

□HAPPY BIRTHDAY HIDAN
1ページ/1ページ



角都がボケた。
嘘じゃねーって!
だっていきなり、
「甘いものが食べたい」
なんて言い出すんだぜェ?
普段、甘いものなんか絶対食わねーヤツが。
仕方ねーからさ、イタチに教えてもらった和菓子屋で大福買って帰ったんだ。
したら、
「そうじゃない」
とか言って折角買ってきた大福を猿がウンコ投げるみてーに投げつけてくんだわ。
猿がウンコ投げるみてーに。
あ?今のフリーズ?
言ってるうちに気に入って二回言ってみたんだけどよ。
……はァ?何、フレーズ?
何だよフレーズって!
フリーズの間違いだろ!ゲッハハハァ!
おめー超馬鹿だろ。
まあいいや。
そんで、イラッときてたんだけど年寄りは労わってやんなきゃ、だろ?
だから顔に大福の粉とアンコがついたまんまだったんだけど、もう一回買い物に行ってやったわけ。
けどさァ、また間違って角都に投げられたらオレもブレーメンハートだからよ、まあ笛吹く前に一応小南に聞いとこうと思って小南とこ行ったんだわ。
……あァ?今度は何だよ?分かって言ってる?
何がだよ、意味分かんねーよ。
ブレーメンと笛?知ってるよそんなの。
日本昔話だろ!
は?ブロークン?
…おめーマジ本気馬鹿だな。
そこまで馬鹿だと可哀想になってくるわ。
つーかさ、話聞けよ。
んで、小南に角都が甘いもん欲しがってるんだけど何買ったらいいか、って聞いてさ。
買いに行ったんだよ。
そんで買って帰って、今度は角都喜ぶかなーって、渡してやったんだ。
したら
「昔は高級品だった…」
とか言って遠くをみた挙句、今度は怒り出してよォ。
葉っぱ振り回してこんなもの食えん!とか言って追いかけてくんだぜェ?
超こえーって!
あ?葉っぱ?
ああ、小南が角都くらいの歳いったヤツはみんなサトウキビがおやつだっつーから、サトウキビ持ってたんだ。
何かパピコみたいにちゅーちゅーするんだってよ。
ちゅーちゅ……。
ゲハッ!笑えんなァ。
角都がちゅーちゅーしてるとことかさァ!
ゲハハハァ!
超見てー。
え?別に見たくねェ?
…ま、いーや。
そんでさ、顔が粉とアンコと葉っぱべったりになっちまったんだけど、ここまで来たらオレにもイボジってもんがあるからよォ。
…ハァー!!
今度は何だよ。ったく、うるせーなァ。
あ〜ん?意地?意地の間違いだって?
うっせー!イボジっつったらイボジなんだよ!
意地もイボジも変んねーだろ。
つか、イボジって何?
……あー、もういい!もういい!
おめー話長いからいいわ。
後で角都に聞く。
そ・ん・で!
いーか、もう話の腕折るなよ。
そう。そうやって大人しく聞いてろっての。
んで、今度はトビに聞いた訳よ。
したら角都くらい墓場に近い歳のヤツにはお萩だって言うからさァ。
ほら、何か盆にはお萩置いといたりすんだろ?
それと同じだってトビが言うからさ、オレはお萩を持って角都のとこに帰ったんだ。
したらさ、まーた違うんだって!
流石にオレもここまで来るとキンチャク袋の尾が切れるっての?
マジ本気イラッときたからさァ、もう知らねーって、勝手にしろって言ってやったんだ。
そしたらさ、こっからが大事な話な!
オレの欲しい甘いものはこれだって、冷蔵庫からケ、ケーキ!ケーキだしてきたんだぜェ!
オレ、オ、オレの!オレの誕生日!
オレの誕生日のケーキって!
角都が作ってくれたんだって!
角都の手作りケーキ!!
超スーパー感動したァ!
そんでケーキに歳の分だけ線香立てて、ふーって、ふーって吹いたんだけどよ、余計燃えちまって消えねーの。
あれ、これ線香じゃなくてろうそくじゃね?って聞いたんだけど、角都は線香でいいんだって言うからさァ。
ま、いーかって。
線香の煙でくせーんだけど、何だか可笑しくて角都と二人で笑っちまった。
で、とりあえず食おーぜって事になって食ったのよ。
したらこれがガッチガチに固まっててまじーのなんの。
食えたもんじゃなくてさ。
やっぱ米は冷蔵庫で冷やしちゃ駄目だよな。
あ、でもアンコの部分は美味かったぜェ!
ちゃあんとアンコでひ・だ・んって、書いてあんの!
挟まってる天プラも美味かったぜェ。
超すげー!
角都やっぱ超すげーよ!
マジでこんな嬉しい誕生日初めてだァ!
オレ、超幸せ……!
あ、おい、聞いてんのかよ、鬼鮫!


「…アナタがそれで幸せならいいと思いますよ…」






HAPPY BIRTHDAY HIDAN!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ