詩A

□桜雨
1ページ/1ページ

風の巻き起こるたびに舞う
薄桃色のカケラを捕まえようと
手のひらを空に向け
そっと握りこむ

捕まえたはずの花弁は
指の間からすり落ちて
堅いアスファルトをなでてゆく

何度も何度も挑戦する
ジンクスを信じるこどもたちの瞳(メ)は
乱舞する無数の光を映していた

やっと捕まえた三つの欠片
願いをこめてそっとハンカチにくるんだのは


わたしたちでした


通う道は変わったけれど
ここにもまた
桜が咲いています

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ