詩A

□七夕
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なに書いた?

覗き込んだ先
ヘタクソな文字が躍っていた

「おいしいものが食べたい」

色気のない願い事

せっせと笹にくくりつける横顔は
小学生のそれで
呆れながら短冊に走り書く

食い気の隣に並ぶのは

「腰に良いベッドが欲しい」

色気になるはずもなく
もはや願い事でもなく


揺れる紙切れ
ため息ひとつ



俺らの間に川はない

そういうことで。



誰に対して言ったのか
勝手にそういうことにしておく

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